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えーてるちゃんは、今日もみんなを地球に引っ張っています。いつもいつもかわいらしく小さな手でぐいぐいとひっぱります。でも、まるで力が足りません。このままでは、大切なものがお空にとんでしんでしまいます。だからといって、えーてるちゃんはあきらめません。がんばってみんなを地球につなぎとめていないと、みんなが宇宙にとんでいってしまうからです。
えーてるちゃんは、かわいらしく小さな手でぐいぐいとひっぱりますが、まるで力が足りません。このままでは、大切なものがお空にとんでしんでしまいます。でも、えーてるちゃんはがんばってみんなを地球につなぎとめています。
でも、えーてるちゃんは一人ではつなぎとめてあげられません。えーてるちゃんは、ままの地球さんにお願いしました。
「ままぁ、一人じゃたいへんだよぉ。みんな、おそらにとんでっちゃうよぉ」
えーてるちゃんは泣きたくなるのをガマンしながら地球さんに訴えました。えーてるちゃんの力では、みんなを助けてあげられません。えーてるちゃんは、それがかなしいのです。
すると、地球さんはやさしい声でこういいました。
「大丈夫、おねえさんのじゅうりょくが、すぐに助けにきてくれるから」
えーてるちゃんは、その言葉を信じて、もう少しがんばろうと思いました。
ところが、いつまでたってもお姉さんはきてくれません。
それでもえーてるちゃんはがんばります。
とにかく一人でがんばりました。でも、いくらがんばっても限度がありました。
とうとうえーてるちゃんの力がつきそうになってしまいました。
「だめだよぅ。まま、あかちゃんがとんでっちゃうよう」
そうです。重くない人は、実はすぐに地球から離れたがるので、一番つなぎとめておくのが大変だったのです。
そして、ついにえーてるちゃんの手から、あかちゃんが離れようとしたそのとき。
「だめよ、えーてる。つかんじゃダメ。抱き寄せないと……こうやって」
声が聞こえてくると同時に、えーてるちゃんの上に影が落ちました。おそらから、おねーちゃんのじょうりょくさんが助けにきてくれたのです。
じゅうりょくさんは、えーてるちゃんがてばなしてしまったあかちゃんを、やさしく抱きとめて、おそらにとんでいってしまわないようにしたのです。
えーてるちゃんはほっとしたと同時に、安心して気が緩んだのか、涙があふれてきました。
「おねーちゃぁん、もう少しで、もう少しで…」
そのあとは、泣き声になってしまって言葉になりません。
「大丈夫。これからはお姉ちゃんと一緒にみんなをまもってあげましょう」
それからというもの、えーてるちゃんは繋ぎ止めやすい重いものを、じゅうりょくさんは軽くて自分で地球にすんでいよう、と思えないひとたちを抱きしめて地球にいられるよう、協力して、たいせつなものをまもっていくのでした。
お題もの書き2004年04月テーマ企画「帰還」の投稿作品です。irc.cre.jp系 #もの書き 2004-05-09 21:00より派生。