お題「かけるん萌え萌え杯」

読電波想心機さんによりますお題もの書き2005年04月特別テーマ企画「かけるん萌え萌え杯」参加作品です。

特別企画「かけるん萌え萌え杯」

「今日、転校生が来るらしいな」
「歓迎の準備は出来てある」
教室の中は不敵な笑みで包まれる。
「もし、美少女というお約束ナ展開だったらどうするんだよ?」
「その点は抜かりはない、転校生は野郎だ」
「メイドじゃないのか!?」
「「「かけるん、それはない」」」
クラス中からツッコミが入る。
「ぅわぁぁぁあん!!」
かけるんと呼ばれた生徒は泣きながらロッカーに入っていく。
勢いよくドアが閉まり、泣き声が教室に響き渡る。
「・・・まぁ放って置くか」
「異議なし」
放置プレイとなるかけるんであった。

 教師が教室に入ってくる。
転校生はまだ廊下に立っている。
さっき準備があるといった生徒が合図を送ると、
入り口近くの生徒が扉にヒッソリと糸を仕掛ける。
どうやら黒板消しという定番アイテムは教師が先に入ってくる。
都合上使えなかったようだ。
「静かにいてくれるのは先生としてはとてもありがたいです」
そんなこと言わないほうが無駄な反感は買わないのだが、
どうしても言ってしまう性分の教師のようだ。
「先週連絡したとおり、今日うちのクラスに転校生がきます」
「お〜!」(棒読み)
「では入ってきなさい」
ッカタ。
入ってきた転校生は背は高く、髪は短かったが女性用の制服を着ている。
「ちょっとまて、誰だ転校生が野郎だといった奴は?!」
ウィーン。
「それより、仕掛けてたやつが発動している!!」
転校生は首をかしげる。どことなく品のある動作だ。
「そこからはなれて!」
ッパカ。
「え?」
ッガン!
ガランガラン。
ッバタ。
教卓の前には倒れた転校生と金タライ。
天井は何時の間にか穴が空いていて、現在進行形で閉まっていく。
「大丈夫かね、凪沙芽くん?」
「うぅん」
頭を抱えながら凪沙芽と呼ばれた転校生が起き上がる。
が、
「あれ、ここは・・・私は一体?」
「君は僕のメイドさんです!!」
ロッカーから勢いよく飛び出してくるかけるん。
今の今までロッカーに入っていたらしい。
「そ、そうなんですかすいませんご主人様」
「「「ちょっと待て!!!」」」
クラス全員から突っ込みが入る。
まったく息が合うクラスである。
「はい、メイド服。ここは私服高校だからこれに着替えて」
「「「どっから出した?!」」」
「はい」
「「「素直に受け取らない!!」」」
クラス全員から色々と突っ込みや説明が凪沙芽に入るが、
「ご主人様が言ってますし、皆さんお気遣いありがとうございます」
なにやら完全に何かのスイッチが入ってしまったようだ。
転校生が図らずもクラスに馴染んで?しまった日であった。


お題もの書き特別企画:「かけるん萌え萌え杯」:参加作品



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