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killistさんによります、#もの書きで競作された「初雪」テーマの小説です。
ぼくの村はオリシ村という名前です。
オリシ村は、小さな村です。おとなと、こどもを、合わせても700人くらいしかいません。
この前、じゅんかいしょう人さんから買ったせかい地ずには、オリシ村はかいてありませんでした。ぼくは、お母さんに聞いてオリシ村のあるところに、あかいペンで小さくオリシ村ここ、とかきました。
オリシ村では、どの家でもウスラを、かっています。
ウスラは、背のたかいどうぶつで、足がすごく長いです。でもくびは、すごくみじかいです。どのいえでも、ウスラは丘にいます。ウスラはいっつも丘にすわってます。ちかくの草をたべおわると、たちあがって、べつのところにすわりに行きます。
ぼくんちでも400とうくらい、かってます。ぼくんちの、ウスラはお父さんのじまんです。ぼくんちのウスラは、いつもは、村で一ばんまっしろです。でもアーダイは、雨がふりそうになると、まっかになります。ドリマは青になります。トンマはだれよりも早く色がかわります。お父さんは「ウスラに名前を付けるな」っていいました。ウスラがしぬときにかなしくなるからです。
きのうからウスラの毛が長くなりはじめました。「ことしは2しゅう間も早い」とお父さんがいってました。ぼくはがっこうがおわったらお父さんのお手つだいに行きます。「冬、ウスラをほうっておくと、すごく毛が長くなって毛玉になってしまう」とお兄さんがいいました。
毛が長くなりはじめたらウスラの毛を大きなくしみたいなもので、かります。毛の先っぽの小ゆびのつめくらいだけ、それでかります。ウスラの毛は先っぽだけ、とうめいです。はじめは白いのだけど、長くなりはじめるととうめいになります。それで先っぽをかります。ぼくんちではゴミの毛ってよんでます。
そのあと、はさみでジョシジョシと毛を、ぜんぶかります。その毛はとおくの人に、売ります。ウスラの毛でセーターを作ったりする人が、いっぱい買うのです。ぼくんちのウスラの毛はすごくたかく売れます。色がきれいだからです。トンマの毛は一ばんたかく売れます。すごく早く色がかわるからです。ぼくは、トンマが一ばん好きです。
このときは、村中でウスラの毛をかるので、おおいそがしです。いそがないと、どんどんさむくなってしまうからです。だから、さいごに毛をかられるウスラは、かぜをひいてしまいます。
ウスラの毛をかるころは、すこし風がつよくなってきます。それで、みんな丘の下でウスラの毛をかります。丘の下なら風があまりふきこんで来ないからです。毛をかるのがおわると、たくさんのゴミの毛を外にすてます。
ちゃんともえないし、すごくくさいケムリが出るのですてるのが一ばんなのです。
ゴミの毛はほとんど森の方にとんでいってしまいます。すこしは、オリシ村にふります。
とうめいなゴミの毛は、たいようの光でキラキラしています。
ゴミの毛が村中にふると、もうすこしで本物のゆきがふります。
改訂版。