創作小説雑談所 LOG 001

創作小説雑談所の1996年9月29日から1999年12月14日までのログです。


99年12月14日:14時06分50秒
二種類の言語。 / 健児。
超ビギナーでスミマセン(ずっと謝ってばかりのような気がする)。
>E。R。さん、カンナさん、LISTさん、はしざきさん、レス的なことをありがとうござい ました。
#TRPGとは「喋ってなんぼの座談会」ですね。。。(それはかなり間違ってます)。 リプレイは何処で見れるのかなー(自分で調べます)。
#分からなければ検索ですね。それでも分からないなら雑談所(此処)ですね。
#創作論です。シェークスピアの「ベニスの商人」の批評本は沢山でています。 その中に、言語には「その現場でしか発揮されないもの」と「辞典に載っているような 一般的に使われるもの」がある。。。と書いてありました。 その使い分けができていなくて産まれる誤解が物語を面白くするのでしょうね。 というか使い分けはしなければいけないですよね。。。。?(偉そうに言ってしまいました が、一応創作論?)。 「創作論」コーナーで書くべきでした。。。反省。
#p。s。やっぱり皆さん、小説創作してるんですかね。。。やはり気になります。
99年12月13日:19時27分18秒
おばさん的創作方向(?) / E.R
>健児さん
……お仲間です(笑)
というか、このページ見つけたのは確かにTRPGの関係を辿ってだったんですが、
その目的が私の場合、「リプレイを読みたい」だったので……(ちょっと根本を間違えている)

というわけで、TRPGについては、皆さん、既に書いておられるようなので、置いといて。

この、題なんですけれども。
おばさん的創作方向……というのは、はしざきさんの紹介された
「絶望の世界」を読んでいて、ふと思った言葉でして。
あれ、結局読みきらなかったのです。
読んでいる途中に、ふっと、自分が親しい中高生達の顔が浮かんでしまった途端、

……なんかつらくなって読めなくなりました。

というわけで、おばさん的、なんだなあと改めて思いまして(笑)
自分の創作方向というのが、ですね。

人が、ほっとする話を書きたいな、と。

実は、綺麗ごとを書くというのは、自分にとっては非常にしんどいことです。
誰が知ろうと知らなかろうと、「じゃあ、そう書くお前はそのことを実践しているのか」と、 常に問われているような気がするのです。
渾身の力こめて、自分の書いた綺麗ごとを実現しなければいけないような気分になる。

そういう意味で、綺麗ごとを書きつづけてみたいですね。
変なたとえなんですけど
「絶望の世界」を書くのではなく、
「絶望の世界」の主人公が読んで、ほっとする話を書けるものならば書きたい。
とか……思いました。はい。

……変?(笑)
99年12月13日:18時27分57秒
TRPG未経験者用紹介文リンク集(RE : TRPGってなんですか?) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@LISTさんWrote
>例えば 「小説」 の説明をして、すべての小説を過不足も矛盾も無く説明しきれるかというと、そんな事はたぶん不可能ですよね?
 
 そーですよねー。
 小説の概念を規定するとよくありがちなのは、「かなりの長さを持つ、散文で書かれた架空の物語」とか
 なんだかわかったよーなわかんないよーな話ですよね(笑)。
 
 アタシはジャンルを総説するような紹介文、不可能ではない気もしますけど。意味がある紹介をするのはすごくむづかしーと思います。どーしたってジャンルを総説しよーとしたら抽象的になってちゃうと思いますし(私見)。
 
 「小説と物語の違いはナニか?」とか、「『源氏物語』は小説か? 物語か?」とかちょっと突っ込んだ話になるとすぐにわけがわからなくなります(笑)。
 
 えーっと、TRPG.NETにもよく来てられる、ENTさんとゆー方が、「卓上RPG未経験者のための紹介リンク」とゆーのを用意されています。
#「魔王ENTの混沌宮殿
 
 なんと、TRPG未経験者向けの紹介文が、22用意されています☆(1999年12月13日現在)
 
 中には、TRPG_NETを主催されてるsfさんの、『TRPGって何?』や、LISTさんの『TRPGって何?(Easyバージョン)』も紹介されています。
#おっと、sfさんのは、はしざきさんも紹介されてる。
 
 アタシも「22を全部読んではいませんけど。多分みんな少しずつ違った意見が含まれてることと思います。
 
#とゆーわけで、この掲示板では、「TRPGって何?」の話は避けたいと思います。
#LISTさんの言われるように、その話題には、「TRPG FreeTalk」とかが用意されてますので。
 
#ところで、改行の仕方ですけど、「簡易掲示板利用マニュアル」の、「機能」のとこに書いてありますよー。
#「行頭に二バイトスペース、#、「、(、>、を入れると自動で改行する。それ以外の入力時の改行は表示時には無視される。」
#よーするに、改行したいとこは、改行をしたうえで、頭に「全角のスペース(半角二つではなく)」を置くよーにするとよいです。
99年12月13日:17時46分25秒
RE : TRPGってなんですか? / はしざき

以下のページが用意されてるので、一度目を通されるとよろしいかも。

http://www.trpg.net/WhatisTRPG.html


99年12月13日:17時35分29秒
RE : TRPGってなんですか? / LIST
ジャンルを表わす総称ですので、 「TRPG」 が何なのかを説明しきる事はたぶん不可能です。
例えば 「小説」 の説明をして、すべての小説を過不足も矛盾も無く説明しきれるかというと、そんな事はたぶん不可能ですよね?

って、返事になってないですね。
えーっと、この話題でしたらばTRPG_FREEか、あるいはTRPG_LABO辺りが妥当かと思います。
ちょちょいとお返事することはできませんので、ご興味がありましたらそちらでお話ししましょう。

http://www.mahoroba.ne.jp/~furutani/easylist.html

これがこのHPの掲示板一覧のはずですので、ソレっぽい題名か、上で挙げたトコロへ飛んでみて下さい。ではでは〜
99年12月13日:15時34分11秒
TRPGって何ですか? / 健児。
はじめに、改行の仕方が分からなくて困っています。前述、読みにくくてスミマセン
(今回もですけど)。それと題名は内容が分かるように致します。。。これから。
カンナさん、「御都合主義」のご説明ありがとうございました。非常によく分かりました。
品崎さん、「週間ストーリーランド」についての補足、ありがとうがざいました。
えー、レスポンシビリティ(応答)をしてみたいと思うのですが、なかなか話題につい ていけません、高レベル過ぎて! だから無理かも。。。 僕は小説本だってちゃんと読んだことは極少数なのです。。。はは。 ハードボイルドについても、どんなジャンルかと問われると、?な男です。
「古びたロングコートに身を包んだ男が目を遠くにしながら、煙草を吹かす」シーンくら いしか浮かんできません。今度来る時は知識量を増やして来ます、多分(笑)。
p。s。 TRPGって何ですか? 誰か教えて下さい!(知らなくてスミマセン。)
99年12月11日:23時19分21秒
オンライン小説の話……かな? / 品崎
 みなさんえ。
 どうもすみません。最近仕事が忙しくてあんまりココに書きこみが出来ないし、個人的なことでイライラしてて。ちょっと神経過敏になってました(泣)

 それに僕はしつこいようですが、無学で感覚だけで生きているような人間なので(さっそく鍼原さんにハードボイルドは“条件”ではないとツッコまれてしまったし(笑)、うまくみなさんにわかるような文章でものを伝えることができないのです。お恥ずかしい。
§うん。フィリップ=マーロゥは「卑しき街を行く孤高の騎士」なので(笑)、個人的には“中ヒット”くらい。“大ヒット”はしないんですよね。
§そうそう。マイク・ハマーは別の意味で面白い(笑えるから)ですけど、断じて渋くはないですね(笑)

 僕が思うハードボイルドの条件ですか?
 すぐには思いつかず、表面的なことだと思うのですが、羅列してみるとこうでしょうか。
 1.主人公は探偵/刑事/新聞記者など、事件を追う職業の人である
 2.人間関係が複雑(たまにエキセントリックだったりする)
 3.変な比喩が多い
 4.“みなまで言わない”描写
 ……かな。
 
 
3については具体的に言うと、
 「私はホットドックの上にかけられたマスタードのように曲がりくねった道をとぼとぼと歩いていた」 ……みたいな描写のことです。滑稽な比喩を使って、逆に“人間ってのはちっぽけだ”とか“人生はくだらない”みたいな哀愁を漂わせてるんですね。(たぶん)
 4は、人の感情の動きを直接描写するんではなく、その人がどういう仕草をしたかだけ描写して、どんな感情を抱いたのか読者に推理させるってやつです。
 まあつまりヤボな描写をしないってやつですね。回りくどいとも言いますが(笑)。

 はあ。どうにもこーにもです(笑)
 ハードボイルドの話題は発展性がないかとも思うので、これくらいにして、
 僕のけっこう前の発言の話に戻るんですが、
 僕は“プロとアマチュアの差”ってのはすでに“テクニックの差”ではないと思っていて、それでオンラインで面白い小説がないかな〜なんて書きこみをしました。
 宮台みたいなもの言いですが(笑)、世紀末になって価値観は多様化してるから、どんどんいろんなノリの小説が出てきているとおもうのです。
 だからはしざきさんのご紹介はありがたかったです。>どうもありがとうございました。はしざきさん。

 テクニックはともかく、題材が個性的なものを僕は見つけたかった。マイナー思考というか、最初から万人受けを狙っていないような作品を僕は見てみたかったのです。
 短絡的に言ってしまうなら、“とてもメジャーでは発売できないネタを扱ったもの(エログロ・とか差別ネタとか)”とか、“日本人の趣向に合わないもの(ジョークの質の違いとか)”とか。
 “渋い”うんぬんは単に軽い気持ちで言っただけなのですが、単にオンライン小説を見ていて、個人的には笑えないコメディっぽい作品をたくさん見たからです(笑)。

 うーん。どうもまとまりのない文章でもうしわけない。
 あと前述したように最近頻繁にここを見られないので、レスがなくても心配しないでくださいね(笑)。
99年12月11日:08時31分37秒
「御都合主義」の条件(?) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>健児さん
 こんにちは。はじめまして。
 
 御都合主義ですか?
 えーと、「極論」を言うとわかり易いかしら。
 
 TVの刑事ドラマで爆発炎上する自動車が、なぜか・いつも・必ず・スポンサーのメーカー以外のものだったりしたら、それはある種の御都合主義と見なせます。
 
 トレンディ・ドラマで海外ロケしてるにもかかわらす、パリのレストラン・シーンでスポンサーの日本の酒造メーカーのワインが出てきたらそれも御都合主義かもしれません。
 
 注意すべきなのは、御都合主義は、ある程度まで作劇術でフォローできる事です。
 これこれが御都合主義とカタログ的に列挙する事ができるわけではないのですね。
 
 例えば、極論のトレンディ・ドラマの作中人物が、日本の酒造メーカーの従業員で、モーレツ社員である、とか、右翼的愛国心旺盛な政治家である、とかの設定があって、レストランの従業員の失笑をかうのも気にかけず(もしくは気がつかず)、日本産ワインを強引に持ってこささせる、とかのエピソードが描写されたら、それはたちまち御都合主義ではなくなります(これも極論ですけど:笑)。
 
 それから、あまり厳密に考えすぎると、ご都合主義がまったく無いフィクションとゆぅのはほとんど無くなってしまう事も大事なポイントでしょう。
 
 抽象的に整理するなら、「作品に必要な効果や価値を犠牲にして、作品外在的な要素をムリヤリ優先すること」が御都合主義、と言ってよいでしょう。
 ここで、作品外在的な価値、とゆうのは、例えば、スポンサーの意向とか、お約束とか、観客にウケる、とかの事です。
 スポンサーの意向はともかく、お約束や、観客にウケる事が、作品に不必要なのか? とゆーあたりが微妙なもんだいでしょうか?
 
 アタシ的には、「(読者・観客に)ウケさえすればなんでもいーや」とかそーゆーのは、御都合主義ではないかと疑って構わないと思います。
 
 ですので、何が御都合主義であるのかは、実は、作者や読者が何を「作品に必要な効果や価値」として重視するかによって変わって来てしまうわけです。
 
 この掲示板でのここのところの話題では、「作中世界のもっともらしさ」、「プロット展開の説得力」、「キャラクター言動の一貫性」などなどが、なんの作劇フォローもなく、ウケとか、派手な展開とかのために犠牲にされたら、それはご都合主義だよね、って話だと思います。
 
 「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」の描写とかってゆーのは、「作中世界のもっともらしさ」とかに関係してると思われますので。
 
#ところで健児さん。TRPG.NETって、実は、多数の掲示板が複合したサイトだったりします。
#ほとんどはTRPG(ってご存知ですか?)の関係なんですけど。「簡易掲示板・ゲストブックのボードリスト」が掲示板のリストです。
#そーゆーわけですので、TRPG.NETの掲示板では、「簡易掲示板・ゲストブックの新着情報」から観たときに、内容の推測がし易い題名をつけることが推奨されてたりします。
#次から考慮していただけるとよいと思いますです。
99年12月11日:08時13分19秒
Re:スゴイ小説渋い小説 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>品崎さん
 こんにちは☆
 
 うん、ハードボイルド小説。
 アタシも渋い小説って考えたときは最初にハードボイルドのこと考えました。
 それと同時に考えたのが、とっぴに思われるかもしれないけど、キム・ニューマンの吸血鬼モノだったりするんですけど(笑)。
#もちろん、アレがハードボイルドだって言ってるわけではないです。
 
 うーんと、「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」みたいなものにちゃんと触れられてる作品」ってゆーのは、渋い小説の「条件」って話しだったんで考えてみただけで。限定してるつもりはないンです。
 
 小理屈コネルと(苦笑)、ハード・ボイルド、ってスタイルか、ジャンルであって、それ自体は条件ではないではないですか。
 
 「ママならさ」みたいなものが書いてあるつもりらしーケド、ただのすね者のグチみたいになってる小説は興ざめってことはあって。
 
 ハードボイルルドでも、いろいろあるではないですか。
 
 アタシは、ハード・ボイルドってゆーと、やっぱ最初は、フィリップ・マーロウって思います。
 マイク・ハマーとか、あーゆーオトコはキライ(笑)。
 
 それとか、ジュン・ブンガクのほーでは、ヘミングウェイがはじめた、「新聞記事のような小説文体(スタイル)」の事を「ハード・ボイルド」って言ったりします。『老人と海』なんて結構ハード・ボイルド小説してたりすると思いません? 『キリマンジェロの雪』とか。
 
 もしよければ、品崎さんが思う「ハードボイルドの条件」みたいの聞かせてくださいませ。
 「おもしろいハード・ボイルド小説」って話だと、やっぱ、「書籍雑談所」の方が盛り上がったりして。
#あ、そー言えば、品崎さんも前、あちらでハード・ボイルド小説の話されてましたよね。
 
 「ハード・ボイルドの条件」みたいな話題がアレでしたら、そーですね。世間一般では、ハード・ボイルドって言わないけど品崎さん的にはコレはハード・ボイルドっぽいと思うみたいな小説の話とか。
 
 アタシは……、『羊たちの沈黙』 の原作者の『レッド・ドラゴン』の捜査官なんて、ハード・ボイルドっぽいかなー、なんて思います。
 世間一般では、あーゆーのは、“サイコもの”とかに分けると思うから、きっといろいろ異論が出るとは思いますけど。
 『レッド・ドラゴン』の捜査官を巡るにんげん関係は、ハード・ボイルドっぽいかなーと思います。
#“サイコもの”小説ってゆーと、アタシのお勧めは、デイヴィッド・リンジー。
#“サイコもの”なんて題材でジャンルわけするのってほとんど書店の棚分けか、販売促進の広告コピーくらいしか役に立たないと思うンで、割とどーでもよいと思うンですケドね★
99年12月11日:01時55分04秒
反省 / 駒形犬二
品崎さんへ
 ほんとに早いぜ。
 
 こちらこそ、気を悪くしてしまったらしくて申し訳がたたんです。
 ハードボイルドっぽさをだそうとしてみたのが失礼なことになってしまったようで……。
 不快だなんてとんでもないっス。具体的な例があると基準が明確になって「渋い小説」というものの条件がはっきりするかな、という好奇心だったんです。    
 あいまいなまま進めると、ぼんやりしたままたち消えてしまうことって多いじゃないすか。
 
 成功例の作品を知ることは、理解の早道ですしね。
 なんの理解かというと、そいつは小説技術です。結局のところ、好みの好嫌の部分以前に「つまらない小説」というものを、書きたくないからなんですね。
 
 
 
99年12月11日:01時22分19秒
ハードボイルド小説 / 品崎
駒形犬二さんえ。
 素早く質問にお答えします。
 ホントは僕みたいな無学なものがこんな問題に立ち入るべきでないと思っていますので(笑)。

 翻訳ものは“エド・マクベイン”がやはり良いです。「灰色のためらい」とかもう、彼の作品は全て“描写がリアル”ですね。
 渋いと思うのは“ロス・マクドルド”や“マイケル・Z・リューイン”とかですが、人物描写が丁寧かどうか疑問なので横においておきましょう。
 “ジェイムズ・エルロイ”。独学で文章を覚えた人なのでテクがなくてゴチャゴチャしてますが、リアルだと思います。
 日本の人だとあんま詳しくないですが、“原寮(漢字が出てこない)”なんか条件に合うのでは。
 あと今ドラマでやってますが「OUT」の“桐野夏生”もバカになりませんよ。

 僕の好みを見て、僕を判断してください。
 僕にはそれしか言えません。僕は無学だし、相手をやっつけようと思ってここに書き込んでいるわけではありません。好みの違いを聞こうとするのは間違いでしょうか? もしご不快なら不快だと言ってください。すぐにやめますから。
 どうか気を悪くしないでくださいね。
99年12月11日:00時50分30秒
ハードボイルド小説? / 駒形犬二
>品崎さん
 感性の違いは面白いね。それくらいしか面白さはないくらいだね。
 「人物描写が丁寧で、リアル」な「ハードボイルド」っていう条件を満たしているのは、具体的には、なんていう小説があがります?
 やっぱり翻訳ものがメインになるんでしょうかね……いろんな意味で。  
99年12月11日:00時01分28秒
RE:スゴイ小説渋い小説 / はしざき
99年12月11日:00時00分29秒
スゴイ小説渋い小説 / 品崎
 ……ただ、はしざきさんがなぜこの小説を勧めたのかその理由が気になるところ。
 とりあえず危険物を紹介してみんながどんな反応をするのか見てみたかったと、僕 はにらんだんですけど、どうですか(笑)?

いや、わたしは単純に「面白い小説」と思ってたので、特に「危険物」とは認識してなかったっす。「ふーん。こーゆーのは万人には勧められないのかぁ」ってちょっと意外な感じ。

だもんで紹介にあたって特に意図はないです。しいてあげれば『オンライン特有の文章表現や、構成術といったものの研究や、テーマの多様化』っていう話題が出ていたので、ひとつのサンプルにはなるかなぁと、ちらっと思ったぐらいかな。


99年12月10日:23時34分11秒
スゴイ小説渋い小説 / 品崎
 しばらく見ていなかったのですが、なんか面白いですね。いろいろと。
 渋い小説(僕がちょっと言ってしまったやつですが)の話と、
 凄い小説(笑)の話。
 
 僕も「絶望の世界」読みました。時間がなかったので続編はまだですが。
 個人的にかなり面白かったですよ(笑)。第一章のあたりなんかパワーがあるし。
 これはインターネットに氾濫するサイコさん系のページを逆手にとった
 なかなか意欲的な作品だと思います。
 確かに万人には勧められないですけど(笑)。
 ……ただ、はしざきさんがなぜこの小説を勧めたのかその理由が気になるところ。
 とりあえず危険物を紹介してみんながどんな反応をするのか見てみたかったと、僕 はにらんだんですけど、どうですか(笑)?

 あとは渋い小説の話。
 僕にとっての渋い小説というのは(言い忘れましたが)ハードボイルドのことだったりするんですよね。
 (もっと広域の意味で使いたいですけど、話をまとめるために限定するならそうかな)
 だから「〜希望を持つ」に限定しなくてもいいんじゃないか……なんて思います。
 まあでもこれは単なる意見の違いなので目くじら立てないでください(笑)。
 僕は「人生のままならさをよく知って、ぶつかって、そのまま砕けちゃって」 も渋いと思います。
 好みの差ですね。感性の違いって面白いです(笑)。

 ホラよくありがちな「信じていた女に裏切られて、それで殺されるんだけど、男はその死を受容する」なんて話は僕は渋いと思うなあ。
 (W.Gの短編集の中に入ってる、N.Hっていうサイバーパンクもののお話のことですが(笑)
 以上です。

 あ、と書きこもうとしたら健児さんの書きこみを発見(笑)。
 「週間ストーリーランド」、僕も見てます。
 あの番組は健児さんの言う通りのシロモノですが、僕は別のところに非常に興味深いものを感じています。
 ゲストの連中が短いお話にコメントするんですよ。それが完全に感情論なんですよね。好きか嫌いかって話。
 これが素晴らしい(笑)! なかなかないですよ。こういう一般人の素直な好き嫌いを聞ける番組って。
 僕も毎回「このアホ、なんでこんな話が面白いんじゃボケ」とか「だよな〜この話が一番面白かったよ、アンタとオレはシュミが合うよ」などなど思いながら見てます。
 ……まあそれは冗談ですが、
 「大衆にウケるものとは何ぞや?」みたいなことを毎回考えさせてくれます。
99年12月10日:18時26分24秒
はじめまして。健児と申します。 / 健児
はじめまして、健児と申します! 大学生です! 小説は・・・書いてません、と言った方が無難かも・・・。 ここ半年は全くと言っていいほど創作意欲が湧いてきません。
本やテレビなどをパラ見して、「ネタになるのかなー」とか思って、ダラダラ日々鬱々 としているばかりです(京極夏彦がやや好きです)。
ここのコーナーによって自分の文章や礼儀作法の拙さなどを切々に露呈されたと 言っていいでしょう(なんか文章変かな?)。
ところで週間ストーリーランドっていうテレビ番組知ってますか? あれは約20分の アニメ用短編脚本を書いて投稿するのですが、採用されればアニメ化されて、さらに 50万円貰えるというものです。
名前も知れ渡り、こんなボロイことはないと思いまして、颯爽とワープロに向かいま したが、これが書けない。そう、僕はお金に釣られちゃって、作家としてのプライドを 投げ捨ててしまっていたのです(貧乏学生だから)。お金は悪魔ですね。
いや、単に僕の努力不足なのです!(一応、作家志望ということで・・・鼻にかけ てます?)。
そうそう、宇多田ヒカルの引用ですが・・・「クリエイティシズムだけがお金を産む」 のだそうです。だから、お金の為に、創作意欲を湧かしてはいけないのです!(って いうか、そんなことできるか!・・・調子に乗ってスミマセン)。
短編だけにオチ付けがなんと難しいこと! パクればいいかなって思ったりもしました
。(いや、実際、紹介という形でパクればいいんですけど・・・やっぱパクリはパクリで 著作物濫用かなって・・・思います)。結局、自分の中で、ボツです。他人に見せる のはやっぱり恥かしいですよね・・・。あー、でも見せないと・・・実は友人に見せまし た。「へー、でも、どう批評していいか分からんけど、こりゃ、落ちるわ」と言われまし た。面白くなかったんですねー。はー(^^;)。で!人に見せるってことは成長するっ てことが分かりました! 自分の作品が面白くないんだ、と(咆哮)!!!・・・でも ちゃんとした批評家は欲しいところです。
あ・・・小説と脚本は・・・違いますよね?
ここのコーナーは今まで見てきた創作系雑談サイトの中で、ハイレベルだと僕は思 ってます。
とても面白くて一気に全部見てしましました(絶望の世界も・・・)。
あと、「御都合主義」の意味合いがどうしても分かりません。誰か詳しく教えて!
あと、季刊雑誌で「文藝」っていう若者向けの投稿雑誌をどう思いますか?
渋い作品は・・・やっぱ、「厳しい現実に向かいつつも希望を見出させくれるもの」か なって思います。いー・あーるさんとほぼ同じかな・・・(^^;)。
また、送信しようかな・・・と思ってます。多分・・・(かなり長くなってしまいました。 スミマセン)。
管理者ならびに皆様へ。
99年12月10日:15時39分45秒
部分訂正:読解術=読みの理論と文芸批評 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#「読解術=読みの理論と文芸批評」(当掲示板,カンナ記,99年12月09日:13時38分52秒)、の内容に部分修正
 
#笠井潔・編,『本格ミステリの現在』,国書刊行会,Tokyo,1997. ISBN4-336-04000-1 C0095、について。
 
×:笠井潔、本人を含んだ16人の筆者による、現在も活動中の日本人作家のミステリ論です

◎:笠井潔、本人を含んだ16人の筆者による、現役日本人ミステリ作家の作家論です。執筆者にも、現役作家が多いです

#下線付け部が訂正個所です。
#全然、内容が違っちゃいますね、すみません。
99年12月10日:15時36分23秒
[紹介]文芸批評関係の辞典 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#駒形犬二さんにウケた気がするので、調子にのって(苦笑)、文芸批評関係の辞典をもう2冊ご紹介しちゃいますす。
 
ジョゼフ・チルダーズ、ゲーリー・ヘイツ・共編,『コロンビア大学現代文学・文化批評用語辞典』(松柏社叢書言語科学の冒険6),Syouhakusya,Tokyo,1998. ISBN4-88189-883-2 C3390
 
ジェラルド・プリンス,『物語論辞典』(松柏社叢書言語科学の冒険4),Syouhakusya,Tokyo,1991. ISBN4-88198-876-X C3390
 
 「松柏社叢書言語科学の冒険」は、基本的には言語学関係のシリーズです。『言語と思考』なんて本も入ってるんですけど。ここにご紹介したほかに『物語論の位相』とか、文芸批評関連の研究書も多いシリーズです。
 
 こないだご紹介した『最新文学批評用語辞典』(研究者出版)と比較しておきます。
 
『最新文学批評用語辞典』
メリット:比較的平易で簡便。
デメリット:平易なので、用語の背景や関連がわかりづらい。
 
『コロンビア大学現代文学・文化批評用語辞典』
メリット:フォローする範囲が広汎で、収録語も豊富。解説も丁寧。
デメリット:解説に出て来る研究者の固有名詞とかをまた別の辞典など調べないとならない事もある。
 
『物語論辞典』
メリット:物語論とゆう分野に絞り込まれた辞典なので、用語間の関連や理論的背景は追い易い。
デメリット:用語選択や、解説に分野固有の傾向が強い。
 
 アタシは、必要に応じてなんですけど、まず「最新文学批評〜」で用語を確認して、「コロンビア大学〜」や、「物語論」でウラをとるような使い方をする事が多いです。
 
 それと、演劇や映画の分野の用語辞典もよいのがあるみたいですね。アタシは持ってないんですけど。
 あちらの分野だと、小説などと違いもともと集団制作なので、ジャンル間を比較すると用語は整ってるように思います。ですので、「批評用語辞典」だけでなくて、キャストやスタッフ向けの用語辞典もあるように聞いています。
 
 後、余計なお世話ではあるのですが……、、、
 まず、この掲示板では、アタシときどき書いといた方がよいと思うンですケド。
 アタシは小説は書かなくって、マンガとか、TVドラマとか映画とか、アニメとかいろいろ、批評文やら、批評文になりきらないレヴューとかを書くのが趣味です。
#最近はTRPGについての論述文に熱中してて、そっち方面の、同人誌仲間にちょっと評判悪いンですケド(苦笑)。
 
#批評文芸とか言って、批評文も文芸の一ジャンルなのよー、って話もおいといて。
 
 えーと、作家の方でも、エッセイや批評文と小説創作と両方得意な方と、そうではない方とタイプがあるように見受けられます。
 ですので、批評理論も実作をされる方のタイプによっては相性のよい方とよくない方とおられる事と思います。
 
 現代言語学の一部が文芸批評と近接してるのは、アレなんですよね。
 文法や慣習を無視した表現をしちゃっても、なおかつ意味が通じる、創作の言語行為に、現代の言語学者が多大な関心を抱いてるからなんです。
 
 有名な例だと、坂口安吾が「梟雄」とゆう日本語を創った、と言われますよね(この説、ウソかホントかアタシは調べたことはありませんケド)。
 ただ、かつては「天才のインスピレーション」とか、「作家の特権」とか考えられた「造語が用いられてもコミュニケーションが成り立ってしまう事態」、これは実は自然言語の本性だと思われます。
 ストリートの言葉を観るとよくわかると思います(ただ、造語にも広まって遺ってゆくものとそうでないものとがあるだけで)。現代言語学は自然言語やにんげんの言語行為・能力のそうした側面に多大な関心を持っているので、文芸批評と近接しているわけです。
 
 とゆーことはですね。実は、創作者・実作者には、理論を出し抜く事が期待されてる、とも言えます(笑)。ちょっと偏った意見ですけど。
 
 アタシの考えとしては、批評や批評理論は、創作論と近接してても別個の分野と思います。
 
 もちろん文芸批評や批評理論も、創作・実作の参考になる、とはアタシは思います。
 でも、どれくらい参考になるかは、人それぞれではないかと思う次第です。
99年12月10日:15時32分55秒
渋い小説とか、文学とか、エンターティメントとか / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>いー・あーるさんへ
 うん、「『人生のままならなさをよく知って、ぶつかって、でも前向いてよいしょと歩く』人達の話かな、渋い話」そーゆーのは大事ですよね。
 
 えーっと、文学性を、いー・あーるさんが言われるような意味で「個人が、見知らぬ個人を励ますエール」と捉える人は少なくないですよね。
 この場合、「個人」とゆうのは、社会性で覆い尽くせないにんげん性みたいなものを含んだそんざいの事と思います。
 
 「ブンガク」から世間的評価やら、権威やらを取り去ってみると、実はこの「エール」とゆうところでは、エンターティメントと対立・背反するわけではない部分も観えて来ると思います。
 
 “Entertainment”は、普通は「娯楽」とか訳されますけど。
 “Entertain”の語の構成は、“enter・tain”です。
 enter≒between、tain≒hold、なので、“Entertain”には、「人と人との間をつなぐ」とゆう意味が含まれてます。
 ですので「Entertain」には、「もてなす」、「Entertainment」には「もてなし」って意味も含まれるわけです。
 
 話しは変わって、『絶望の世界』ですけど、アタシはなんか少しオモシロクなって来てしまいました。
 作者の方には悪いんですけど、あの形式の作品って、テクスト分析し易い形なんですね。
 分量的にも丁度やりがいのある分量なんです。
 ここで言ってるのは形式の話だけで、内容が分析し易いかどうかは、実際分析をしてみないとわかりません。
 
 久しぶりにテクスト分析きちんとやってみようかな〜、とか思ってるところです。
 まず、登場人物の、人称抜きだして。人称の呼びかけ関係整理して。
 語られたエピソードの前後関係整理して、欠落部分を確定ししたり、語り手の視点による偏りを推測したり。
 批評文がシュミなヤツなんてヒマ人なんです(笑)。
 
 んーっと、一般論なんですけど。「エール」の内容がウソ臭いものだったり、軽薄なものだったり、偏ったものだったりすると、その度合いに応じて、作品の価値は落ちると思われます。
 
 アタシも『絶望の世界』、渋い小説とは捉えませんけど。
 
 あぁした傾向の小説の価値は、とりあえず世間一般で信じられてる社会的価値のウソ臭さを描いちゃうところにあると思います。
#批判とか風刺とかってゆーのは、評論家とかに任せちゃって(笑)。作家の方はともかく、真実味のある物語を、−−もし、作家の人がそうした狙いで作品を創られるのでしたら、「ウソ臭さに真実味が感じられる」ような迫真の描出を、ともかく書いちゃっていただきたいと思います☆
 
 んーっと、例えば、『絶望の世界』で、、、
 「希望の世界」で「イジメはよくない」みたいな話題の対話に、語り手が作為的な虚偽で参加せざるを得なくなるシーンとか、効果的な仕掛けになってると思います。結構読んでてスリリングな個所のひとつと思います。
99年12月10日:13時48分50秒
小説書いてます、のうさんくささ / 駒形犬二
>寺田大典さん
>(ただ、『プロを目指しています』とか、『小説を書いている』事を鼻にかけている人とかは内容を読ませてくれ、とかいう気にはなるかも(^^;)
 
 これなんっス。
 「小説を書いてます」ってこと、ことさらに宣言するひとには、評価や分析を避けたり嫌ったりするようなとこ、ないっスか? 
 「プロじゃないんだから、面白かったの感想だけ欲しい」っていうんは「ズルやん」と思うんですけども……
                           
>いー・あーるさん
 俺もじぶんでじぶんに刃を刺し込んでしまいました(^_^)。
 そりゃもう血がドバドバでましただ。
 でもやはりそれは理想的であるので、研究研鑽することでしか、たどりつけんでしょうねえ。うう、この痛苦しい楽しさはなんだろう〜。
 
99年12月10日:09時50分36秒
渋い小説…… / いー・あーる
鍼原神無さん
> アタシなりの言い方ですので、異論はいろいろあると思いますけど、「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」みたいなもの にちゃんと触れられてる作品は、渋いと思います。
> アタシがご都合主義でない、ってゆーのは、そーゆーことも含みますです。

あ、成程、と思いました。
そうだなあ、と………

ただ、自分的に付け加えるとするならば、
「人生のままならなさをよく知って、ぶつかって、でも前向いてよいしょと歩く」 人達の話かな、渋い話って……
と思うんですが。

「絶望の世界」を、私も途中まで読みまして、これはでも「渋い小説」とは思わないなあ、と ふと考えまして。
 で、その違いは一体どこから出てくるのか、と……

あ、そういう意味では渋いって言えば、
「史記」の中の「刺客列伝」は渋いです。<って、日本語訳されたものしか読んでないですが。

 どん底の深さは人それぞれですけど。
 でも、自分の居るところが、自分にとってどん底である時に、 それでも立って前進する、という小説が……渋い、かな、と。

#で、そういう話を自分が書いているかと言うとこれはもう穴掘って隠れるしかないというか(苦笑)
そいういう意味で、 駒形犬二さんの、
> 自分のお気に入りの世界を優先するあまり、登場人物を都合よく操作していることが読者に伝わってしまう小説に仕上がって いるものは、作者の洞察の甘さを厳しく評価されてもしかたがないでしょう。

この言葉が………楽しく突き刺さっております(笑)
では。
99年12月10日:02時44分32秒
小説書いてます / 寺田大典
>駒形犬二さん

 まぁ、小説書いてます。といってもそんなに目くじら立てなくてもいいかも。ショートショートで気軽に『表現』したい人もいるだろうし。(それも小説)

 それを言ってしまうと『ウェブページ公開しています』といってそのページが100ヒットぐらいの人は問題かというと、そんな事は無いですもんね。

(ただ、『プロを目指しています』とか、『小説を書いている』事を鼻にかけている人とかは内容を読ませてくれ、とかいう気にはなるかも(^^;)
99年12月10日:01時44分33秒
参考になりました / 駒形犬二
>鍼原神無さん                    
                           
 読解術に関する貴重なお話し、ありがとうございました。
 よもや世の中に、文学批評用語辞典なるものが存在していようとは! 参考にさせていただきます。
 
 
99年12月10日:01時19分46秒
小説書いてます、のうさんくささ / 駒形犬二
「小説書いてます」という発言を目にしたときに、うさんくささを感じることってないですか?
                    
「小説を書きました」でなく、「小説書いてます」「こんどリプレイ小説を書きます」といった自己紹介や報告をされたときに、不信感に似た気持ちがわかないですか。
                         
 その発言が、どこまで本気なのかを問いつめたくなる、サディスティックな気分にまで高まるときもあります。 
                            
 俺も小説を書いているにもかかわらず、「小説を書くのが趣味です」にも同じ気持ちをいだいてしまうのですが……                        
99年12月09日:21時10分50秒
[評価]部分修正:こりずに『絶望の世界』続編も読みました / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
[弱点?]
×: 作中人物が本人の事を、妙に惹いた視線からの語調で語る瞬間が少々目立つ
 
◎: 作中人物が本人が関わる出来事を、妙にヒイた視線からの語調で語る瞬間が少々目立つ
 
[その他]
×: この個所は、作者の「主題との挌闘」の結果として評価してよいと
 
◎:この個所は、作者の「題材との挌闘」の結果として評価してよいと
 
[総評]
×: 題材としてのネット・コミュニケーションと主題との結びつきが、続編で曖昧かした
 
◎: 題材としてのネット・コミュニケーションと主題との結びつきが、続編で曖昧化した
 
#上記3文、4個所、いずれも下線付け部が、修正個所です。
99年12月09日:20時24分14秒
[評価]こりずに『絶望の世界』続編も読みました(長文) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 アタシも怖いもの観たさで「続編」まで読んでしまいました(笑)。
 この連作の価値は、ホラーとはまた違うところにある、ってゆーのはアタシも同感なんですけど。
 ともかく、本編と同じくらいのインパクトのものがもう1本あるの「かも」しれない、とか思うととても不安で(笑)。
 こーゆー時は読むしかない。
 
 『絶望の世界』、好きか嫌いかと言えば、アタシ個人は好きにはなれそうにありません。
 
 それはそれとして、「作者の狙い」はカナリ達成されてること。アクロバティックな展開を含めて構成力が見事なこと。オンラインでの公開形態を手法としてうまく利用してること。総じて作者に力量が認められること。アタシも異論はありません。
 
 そうした前提のうえで、『絶望の世界』と続編の疑問と弱点を指摘してみます。
 ネタバレをしないように、やや抽象的な表現になりますけど。読んでる方には何を言ってるかわかる形にします。
 
[概観]
 まず、全体を概観してみます。
 本編と続編は、相互に補完しあう形でひとつの物語世界を形成してると言えます。
 どちらか片方だけでも充分読ませるのですけど。
 
 本編だけだと、作者の操作よりは、作品の題材の方が勝って見えます。結果として、作者が題材と挌闘している様がとても小説らしい表現をうんでいる。
 しかし、続編の方では(構成上無理もないのですが)、作者の操作の方が目立つ。
 いわゆる御都合主義とは赴きが違うのですが、続編の方は、作者の思想に沿って人物が操られる印象が強まってしまっています。

 ところが、これも形式上・構成上、やむを得ないとこがあるのですが。本編の方は作中語り手の視点がほとんど単一に感じられます。 これに続編が加わることによって、小説らしい他視点の物語世界が描出されています。
 
   |題材との挌闘 |多視点性|
−−+−−−−−−+−−−−+
本編|◎        |△     | 
−−+−−−−−−+−−−−+
続編|△        |○     |
 
#続編の多視点性を「○」にしているのは、アタシが文体でのキャラクター性の描き分けが不充分なのではないか、との「弱点」を感じているためです(後述)。
 
 総合すると、本編・続編の相互補完構造では、作者の操作が目立ってしまった事を代償に、他視点の物語世界が達成されている形と思います。   
 
[疑問?]
 読後感がかなり強烈で再読する気力がおきません。なので、今段階では、ちゃんとテクストに基づいた指摘が弱いのですけど。
 ネット・コミュニケーションを題材に採った仕掛けと、「虫」のメタファー(暗喩)の結びつきがよくわかりません。
 
 テクスト具体的には、続編エピローグでの作中人物の最後のセリフが唐突なのではないか? との疑念があります。
 作品の迫力に押されて読まされてしまうのですけれど。よく考えてみると唐突なのではないかな(?)。
 
 えーと、この作品では重要な暗喩として「虫」が要所、要所に使われています。
 物語の語りはじめられる時点も、ほぼ、「虫」にかかわる事件が日記形式で語られる時点です。
 
 しかし、「ストーリー(話)」の起点は、語りの起点以前からのネット・コミュニケーションです。
 そして、プロットを駆動するアクロバティックな出来事の描写や、トリックは、ネット・コミュニケーションを巡る事件が中心になっています。
 それら作中事件の連鎖と、作者が「虫」のメタファーで暗示しようとしている、にんげん観の繋がりがいまひとつ不明瞭になってる気がします。
 途中までは、うまく暗示されてると思うんですけど。アタシは続編の最後のセリフでカナリ暗示内容の性質が混乱しちゃった気がしてます。
 特に「虫の暗喩」を重ねる為に、続編で自然主義風の遺伝の設定を導入した事は、マイナスに作用しているように思えます。
 
 それでも構成を考えると、やはり作品の主題は「虫の暗喩」であろうと思えるのですが。
 もし、その主題を描くための装置として、ネット・コミュニケーションが選ばれたのだとしたら、とても惜しい事だと思います。
 ネット・コミュニケーションを巡る作中人物達の行動は、それはそれで、独立して読ませるだけの物語になっていますので。こちらにも「主題」級のもんだいの暗示が感じられます。
 
 「コミュニケーションの真実性/虚偽性のもんだい」と「虫の暗喩」がひとつの主題としてカッチリ構成さたらもっと凄い達成になると思います。
 
#もしかしたら、この疑問点は、アタシの読み込みが足りないだけで、キチンと読むといろいろの構成的な仕掛けでその辺の事も暗示されている可能性はあります。
#そうした可能性を考えさせるくらいの構成力はあります。
 
[弱点?]
 この作品の弱点としては、主要人物の文体的個性が不明瞭であることと、説明的で不自然な語りがときどき気になる事があると思います。
 まず、文体から読者が想起する個性。主要な作中の語り手として、高校生・中学生女子・中学生男子・成年男子がいるのですけど、ボキャブラリーや語り口から、キャラクターの差違が想起されるのは、中学生女子、であると思います。
 
 残りの主要作中語り手、高校生・中学生男子・成年男子のボキャブラリーや語り口は、印象としては似てしまっている。
 出だしの語り口にやや個性(偏差)が感じられると思いますけど、例えば成年男子と中学生男子の間に感じられたほうがよい差の演出は弱いと思います。
#パート毎の語彙を数量分析すれば、はっきりした指標も出せると思いますけど。今の、印象としてはそう思います。
 
 特に成年男子の語り口に、それなりの年輪が感じられないことと、続編エピローグでの最後のセリフの唐突感は関連している気もします。
 
 それから、作中人物が本人の事を、妙に惹いた視線からの語調で語る瞬間が少々目立つと思います(この件、続編の右系統のテクストはうまく書けてますよね、とても自然な語り口になってると思います)。
 
 これは、アタシは小説文体として読んでる時から気になったのですが。
 特に記憶に残っているところでは、「暗い情熱」とか、「反省」とか、作中事件のインパクトを勘案すると、とても言葉が観念的に、かつ、軽々しく使われる個所が目立つ。
 普通のにんげんだと口篭もらざるを得ないようなところで、言葉がポロッと観念的に使われる傾向があります。
 これはアタシは、小説としては弱点だと思うのですが。
#もしかして、「言葉が観念的に、安易に、粗末に使われるとき、コミュニケーションは絶望されるしかない」といったテーマが含まれているでしょうか?(アタシは一読しただけでは、そこまでは読みとれませんでした)。
 
[その他]
 後、これは「うまい」、とおもった個所をいくつか挙げておきます。
 続編で作中人物が、「あなたの過去は……」と一旦口篭もって、「重いの」と言葉をつなぐ個所があったと思いますけど。この間と運びはよかったと思います。
#同じ人物が、別の個所では「(当の人物の)壮絶な人生」みたいな大げさで、観念的なセリフ回しをするのですが。
#とすると、やはりコレも作者の演出計算なのでしょうか?
 
 本編だと、「いじめ。かっこ悪い」ってフレーズのリピートがとても効果的でした。特に、後で使われた個所は読者の意表をつく使い方がされてます。この個所は、作者の「主題との挌闘」の結果として評価してよいと思います。
 
 他にも「うまい」個所はいろいろあったと記憶します。
 しかし、繰り返しになりますけど、どうしても今現在は、「うまい」個所より、「凄い」個所が強烈に印象に残っちゃってます。
 
[総評]
#あくまで、現時点のものですけど。
 題材の荒々しさ、生臭さと、主題の観念性を、高度な構成力とプロット駆動でつないだ力作、と思います。
 オンラインでの公開形態を手法として効果的に利用してることは高く評価できます。
 それだけに、題材としてのネット・コミュニケーションと主題との結びつきが、続編で曖昧かした点が惜しいと思われます。
 惜しいところで、万人に奨められる作品にはなっていないと思います。『絶望の世界』のような、グロテスク主題の作品でも「万人に(少なくとも成人には)奨められるもの」はあると思います。『ガリバー旅行記』の第4部とか、『蝿の王』とか。
 これは、作品に暗示された主題の説得力偏りがある、とゆう事でもあると思います。もっと説得力が増してたら、もっと怖い作品になると思います。
 
[注意!]
#最後にやっぱりこれは言っておかないと(笑)。
#強烈な読後感の残る力作です。
#万人に進められる作品ではありません。
#読んだ人が不愉快に感じても、あったりまえですけど、もちろんアタシは責任なんか追う気はないです(笑)。
99年12月09日:18時18分05秒
『絶望の世界』を読んだです / 寺田大典
 うー、読んだ後に何とも言えないえぐさが残る作品ですな。ズーンと暗い気持ちになるというか。まぁ、そうなったというのは作者の狙いは成功しているのでしょう。

 構成は見事だと思います。というか、これを本当に毎日更新やったというのはすごい。(ちなみに続編まで見てしまって、更にディープな気持ちになってます)

 途中、日記っぽくなくてかなり無理っぽい部分はあるし、かなり展開もアクロバティックなんですけど、ただ作者のやりたかった事は見事に表現できていると思います。オンラインという形態を上手く使っているというのは同感です。だから更にディープになるんだけど。

 個人的には非常に評価してます。すごいと思いました。でも、小説読んで嫌な気分になったり、暗い陰鬱な気分になるのが嫌な人にはお勧めしないです。この小説、ホラーではないですしね。(ホラーなら、それはそれでまだ別物として読める)中身はネタバレになるので書きませんが、読者にとって読後の救いは無い気がします。

 読んで痛かった部分は、1部3章かなぁ。辛い。でも2部終盤はそれに輪をかけて辛い。うーん、それでも読ませてしまう所が上手さかと。再び書くけど万人にはお勧めしないです。最初から最後まで、最初で感じると思う『読んでいて嫌な感じ』が最後まで続くけど、それでも大丈夫だ、という人には面白い形の小説としていいと思います。(小説の形としては問題あるわけじゃない)
99年12月09日:13時38分52秒
読解術=読みの理論と文芸批評 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 文芸批評の理論が、小説の分析やTRPGのシナリオの分析にも有益であるはず、ってゆーのはアタシも賛成です。
 
 いくつか、もんだいがあるんですよねー。
・現代的な文芸批評は、20世紀になって大きく変化した言語学を基礎にしてるか、少なくとも関連はしてる(言語学との関わり方は、流派によっていろいろ)。
 だから、ちゃんとした研究を求めると、どーしても、前提として要請される知識が増えちゃう。
 
・ちゃんとした理論を踏まえた高度な批評は、なかなか商売にならない(みたい)。
・勢いプロの文芸批評家(≒評論家)とかが、例えば新聞(一般紙)の文芸時評とかで書く評論は、割と水準抑え目の批評文の方が目立っちゃう。
#新聞でも、業界紙ってゆーか、「図書」とか「読書人」みたいなマニア向け(笑)の新聞だと、一流の批評家が起用されますし、時評的な記事でも読み応えのあるもの「も」あります。
 
・一方、大学などにいる研究者は、プロの批評家に比べれば、まだ地道な研究をコツコツできる。
 だから、研究者の研究には理論的にもしっかりしたものが多い。
 ところが大学から給料や研究費貰ってる研究者達は、例えば、個人的にエンターティメント・ジャンルに興味を持っていても、なかなかそうした分野に手を出すことができない。
 勢い、社会的に評価の定まったことになってる「古典」についての研究が多くなる。
#例えば、雑誌『國文学』なんて、さすがに読み応えのある論述文の掲載が多いです。
 
 「ジュン・ブンガクであろうと、エンターティメントであろうと、同じ観点から分析できる批評」とゆうと、例えば、映画化もされた小説『薔薇の名前』の原作者、U・エーコとかの研究が有名です。
 エーコは世界的な水準の記号学研究者として知られてます。研究書は涙が出るほど難解(苦笑)。
 「読者反応批評」とか呼ばれる分野で、「007シリーズの読まれ方」なんて研究してますね、エーコは。
 
 日本だと作家・批評家兼業の笠井潔が、ミステリ批評の分野でがんばってます。こっちはエーコほどは難解ではないのが助かります。
 
 笠井潔・編,『本格ミステリの現在』,国書刊行会,Tokyo,1997. ISBN4-336-04000-1 C0095
 
 これ、凄く意欲的で読み応えがあります。笠井潔、本人を含んだ16人の筆者による、現在も活動中の日本人作家のミステリ論です。
 
 後、笠井個人の文芸批評だと(彼は政治批評・哲学批評の著作もあるんです)アタシがよいと思うのは次の一冊です。
 
 笠井潔,『模倣における逸脱 現代探偵小説論』,渓流社,Tokyo,1996. ISBN4-88202-406-3 C0095
 
 もっと理論的な本を読んでみたいとゆう方には、とりあえず、次の1冊をご紹介しておきます。
 
 篠沢秀雄夫,『文体学の基礎』,新曜社,Tokyo,1998. ISBN4-7885-0620-3 C1090
#実は、アタシ個人は、ちょっとこの本、方向性に気に喰わないところ「も」あるんですけど。手ごろといえば手ごろです。
#一応、いろいろな古典的ジュン・ブンガクに混じって、シャーロック・ホームズとか小松左京とかについても扱われてます。
 
 もっと気軽に読める本がいいって方には、次の1冊がお勧めです。
 
 筒井康隆、柳瀬尚紀・共著,『突然変異幻語対談汎フィクション講義』,朝日出版社,Tokyo,1988. ISBN4-255-88036-0 C0390

  後、とりあえず、これがあると割と、頼りになるって1冊
 
 川口喬一、岡本靖正・共編,『最新文学批評用語辞典』,研究者出版,Tokyo,1998. ISBN4-327-46434-2 C1598
99年12月09日:11時08分50秒
訂正します / 駒形犬二
12月9日10時51分の、私の書き込みに誤りがありました。                          
 
 行頭の「渋い小説のあじわい / 駒形犬二 鍼原神無さんのWrote (当掲示板のこのみっつ前の投稿)」の、渋い小説のあじわい / 駒形犬二の部分は、私の誤記入です。
 鍼原神無さん、失礼しました。wroteでミスしてごめんなさい。
99年12月09日:10時51分22秒
渋い小説のあじわい / 駒形犬二
渋い小説のあじわい / 駒形犬二 鍼原神無さんのWrote (当掲示板のこのみっつ前の投稿)
  >人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」みたいなものにちゃんと触れられてる作品は、渋いと思います。アタシがご都合主義でない、ってゆーのは、そーゆーことも含みますです。 
 
 賛成です。
 作者の「人間への感度」といったものは、登場人物が対立することになるトラブルに一番あらわれるのだと思います。
 登場人物のこれからの人生といったものが、読後ぼんやりとイメージでき、そしてその行く末が気になったら、それは渋い小説。
 多くのひとが我が身にひきつけて考えてしまえる小説ならば、それは普遍性を持った作品なのでしょうねえ。
 時代や世界をとわず、けっきょく人間の根幹は変化しなくて、状況によって複雑さを増しているだけなのではないかしらん、ということでしょうか。
 自分のお気に入りの世界を優先するあまり、登場人物を都合よく操作していることが読者に伝わってしまう小説に仕上がっているものは、作者の洞察の甘さを厳しく評価されてもしかたがないでしょう。
 もちろん自戒をこめまくりで、それこそ以前にこの掲示板に書かせていただいたように「おまじない」でなんとかしてもらえんかな〜っというあたりですわ。     
                         
>ジュン・ブンガクであろうと、エンターティメントであろうと、同じ観点から分析できる批評が、高度消費社会の現在必要なんですけどね。
                         
 不思議なのは、評論家のひとたちが「批評術」や「読解術」の研究にたいしてえらく無頓着にしていることですね。批評家の批評を批評したり、その優劣を競って研鑽する機会があまりにも少ないようです。
 すぐれた批評文がある以上、そこにはテクニックがあるはずなんですけどねえ。
 っていうか、あるなら知りたいっすね。
 小説にかぎらず、TRPGのシナリオ研究にも応用できるでしょうし。
 
 ではまた来世(気長すぎ)
99年12月09日:04時39分36秒
[感想]『絶望の世界』読みました / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
 『絶望の世界』一読しました。
 2章あたりの、スカトロっぽいとことか(他にも少々)、キモチ悪くて、読むのシンドかったです。
 それとなく警告してもらえたら、心の準備してから読んだと思います。
 
 迫力あるし、形式も興味深いですね。
 構成も効果的だし。
 文体や表現は不自然さを感じるところもありますけど、計算があるのはわかります。
 
 でも、読むのシンドカかったです。
 読者としてのもんだいは、シンドイ思いした分だけ得るものがあったか? なんですけど。
 
 今は、公正な評価できないです。かと、いってすぐに再読する気にもなれないし(苦笑)。
 
 3章からは、迫力あって読まされました。
 アタシは、7章とか、8章とかが、またシンドカッタです。2章がシンドカッタのとまた別の理由みたいですけど、ちゃんと分析できないでいます。
 
 うーん、唐突だと思いますけど。クライブ・バーガーの小説読んだ後の読後感と、似た感じの読後感を感じました。
 
 ホラーってゆーより、クリーピーな感じ。
 アタシがうなされそうな気がしてるのは、作品の狙いを考えると、成功なのではないでしょうか。
 
#後、極・個人的な感想としては、TRPGやってて良かった、です。
#特別なオフ会でなくって、コンベでいろんな人と会えるから(笑)。
99年12月09日:00時55分47秒
[紹介] 絶望の世界 / はしざき

渋いかどーかは知らんけど、オンラインという形態をうまく使った小説。
とりあえず、第3章ぐらいまで読んでみてね。

http://www.angel.ne.jp/~shun/aaaaaa.html(絶望の世界)


99年12月08日:21時30分04秒
渋い小説の条件 / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
@駒形犬二さんWrote (当掲示板のこのひとつ前の投稿)
>渋い小説の、条件。というのも面白いですが
 
 渋い小説の条件ですかー。
 かんたんに言うのは、むづかしーですよね。
 
 アタシが思うソレは、「御都合主義では無いこと」、でしょーか。これは渋い小説の必要条件だと思います。
 
 十分条件は、小説である以上、文体ってことにならざるを得ないかと思いますけど。
 
 「渋い-文体」、とゆーと、どーしてもイメージにバイアスがかかっちゃうと思うンですね。
 
 この前のアタシの投稿に書こうか書くまいか迷って結局書かなかったんですけど。
 
 アタシは山田詠美さんって、凄く渋い小説を書く作家さんだと思います。
 
 そうですね、『放課後のキイ・ノート』とか、『トラッシュ』とか、渋い小説だと思います。
#詠美さんは文章凄くうまいですよね。
#あぁゆぅ文章は、なかなか書けないと思います。
#あの文体のおけげで、「山田詠美さんの小説渋い」とか言っても、首を傾げる人もいるのですけど。
 
 アタシなりの言い方ですので、異論はいろいろあると思いますけど、「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」みたいなものにちゃんと触れられてる作品は、渋いと思います。
 アタシがご都合主義でない、ってゆーのは、そーゆーことも含みますです。
 
 なんか、シンキ臭いですか?(苦笑)
 
 『ピーナッツ・ブックス』ってゆーか、「スヌーピーとチャーリー・ブラウン」とか満ち満ちてますよね、「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」。あーゆーのでもかまわないと思うンですケド。
 「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」は、別にヒューモアでも、ペーソスでも描けるんですよね。

 例えば『坊ちゃん』なんて、ただのバンカラ小説ではなくって、ちゃんと暗示されてある、「人が生きて暮らしてゆくことのままならさ」。だって、あの主人公、小説終わった後、世間の尺度に併せて暮らしてゆけると思います?(笑)
 アタシはダメだと思うケドなー(笑)。どこ行っても、同じよーな騒ぎになっちゃうと思うンですケド。カレ(主人公)がオトナになれない限りは(笑)。

>こうした話をするときに「メジャーな作家は、一流ではない」という人は、本当に多くて、難読と視力を低下させることだけが取り柄なんじゃないかという作品を真上から叩き付けるようにすすめられることが常
 
 うん、まー、ありがちですよね。
 ホントは、ジュン・ブンガクであろうと、エンターティメントであろうと、同じ観点から分析できる批評が、高度消費社会の現在必要なんですけどね。
 
 結局アレですよね。「エンターティメントの流行小説が、例えば夏目漱石の小説や、なんかみたいに、時代を越えて人を惹きつける力があるかどうか、それはわからない」、って事ではあると思います。「いろいろを真上から叩き付けるようにすすめる」ような意見に多いのは。
 
 でも、ホントは「時代を越えて人を惹きつける力があるかどうかがわからない」のは、何もエンターティメントの小説に限ったことではないのですけどね。
 
 で、まぁ、アタシは御都合主義が多い小説は、一時どれだけはやっても、割とすぐすたれるように思います。
 
 では、「人が生きて暮らしてゆくことのママならさ」が書いてあれば、すたれないかと言うと。コレまたそうとは言えないと思います。
 
 「人が生きて暮らしてゆくこがママならないのはなぜか」の掘り下げと説得力によると思います。
#「ママならさ」「だけ」しか書いて無いとすると、それはそれで読むのシンドイ事もありますし(笑)。
 私小説みたいのは今読むとタイクツなのが多いですよね(いや、今読んでもオモシロイのもあるンですケド)。
 
 「掘り下げ」が甘いと、書かれた当時の社会環境・生活環境と、今の社会環境・生活環境が違いすぎて、作中人物、何迷ってんだかわかんねー(笑)とかって事にもなると思われます。
99年12月08日:15時31分33秒
ひとに本をすすめられる喜び! / 駒形犬二
いー・あーるさんへ

 夜の魔術というか、そういった勢いのまま、なにもかもがわかったような書き方をしておりましたので、御返事がいただけて恐縮でございます。誤字脱字は、日の光のしたでみると、はっきり見えるものでござんすねえ。 えへへ(えへへじゃないっての)

 俺もうろうろと歩き見て、頑張ってさがしますぜ!

>いー・あーるさん 鍼原神無さん

 見ただけで渋さの漂うラインナップです。さっそく手帳に書き込んで、渋みを欲したときの処方せんにさせていただきます。

 渋い小説は、渋いがゆえに読み続けていると顔まで灰色に渋くなってしまうので少しずつ読ませていただきますです。

 へんなはなしかもしれませんが、鍼原神無さんから夢枕獏や小野不由実さん、いー・あーるさんが池波正太郎さんの名前をあげられたことが、みょ〜に嬉しかったです。

 こうした話をするときに「メジャーな作家は、一流ではない」という人は、本当に多くて、難読と視力を低下させることだけが取り柄なんじゃないかという作品を真上から叩き付けるようにすすめられることが常(……い、いやもちろん程度に差はありますぜぜぜ)だったもので、ユーモアあふれる作品もあり、切なくなってしまう作品もある方々をすすめていただけると、なんだろう、安心感とでもいうものかが胸に満ちるようですなあ。

 

 とまれ、市販作品は書籍雑談所で語りあうほうが様々にもり上がれると思いますので、おすすめ作品の感想や俺のお勧めはそちらで書かせていただきますね。

 とはいうものの、創作小説雑談所ならではのおはなしもしたいです。あまり、書き込みがないようですから、 なおのこと、なにかこう「創作論」でもない、こう、……そうですね。

 おすすめの書評コーナーがある雑誌、なんてどうですかね。

 俺は、「ダ・ヴィンチ」のミステリー新刊レビューが30冊限定といさぎよく、主人公の目的をズバリと読み切っているような鋭さが好きです。実際に買うかどうかは別にして(だめじゃん)、読みたくなるようなあらすじを書くのも才能ですよねえ。  

 渋い小説の、条件。というのも面白いですが、すみません、また一息に書き過ぎてしまいましたので、それはまた後日に。

 では、またお会いできるを楽しみにしています。   
99年12月08日:13時02分18秒
不明を恥じます//渋い小説 / いー・あーる
駒形犬二さんへ
>ですが、インターネット上で小説を発表する年齢の人がすなわち「年齢的に渋い小説というのは書けない」というのは、根拠と しては弱い……と。
> 単純に、僕の知り合いに70歳でオンライン小説を書いたひとがいます! といった鼻息の荒いような実例ではなく、媒体として オンラインを選ぶ書き手もいるということです。

成程、と思ってお読みしました。
己の不明を恥じます。

> ですから、オンライン小説では渋い小説は10年ほど待たないと読めない、とインターネット上で探されないのは、あまりももっ たいないです。

そうですね。
頑張って探そうっ(ってまて仕事はどうした)

しかし、渋い小説……ですか。
ぱっと出てくるのは、
池波正太郎の鬼平犯科帳。
谷甲州の山岳小説。
あと、カレル・チャペックの短編小説集、
「一つのポケットから出た話」なんか……そうなのかな。

しかし考えて見ると、「渋い小説」って、文体もそうですが、書く対象も 渋い、んでしょうね。
どちらをより「渋い」と感じて、上の小説を選んだのか………… 我ながら多少謎です(苦笑)

では。
99年12月08日:11時52分04秒
渋い小説と言うと(乱入失礼) / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
>駒形犬二さん
#こんにちは。はじめまして。
#はじめましてで、乱入しちゃって、失礼します☆
 
 アタシが思う、渋い小説とゆーと、
 中上健次、とか、
 坂口安吾、とか、
 
 ちょっとエンターティメント入ったところで、
 隆慶一郎、とか、
 関川夏央、とか、
 
 変わったところでは、
 井田真木子、とか、
 ルポルタージュだけど、ノンフィクション・ノベルと思って読んでも、渋いですよね。
 
 後、山田風太郎さんは奇想天外なのもオモシロイけど、渋いのは凄く渋い。
 
 後、前は小説ヘタだったんだけど、
 (アタシは好きなんですけど)
 笠井潔の以下の小説は渋いと思います。
 『群集の悪魔』、『哲学者の密室』、『道』(中・短編集)
 
 あとあと、およそ渋いってイメージではないですけど、
 (とても・とても好きなんですけど)
 夢枕獏の、
 『上弦の月を喰らう獅子』
 『歓喜月の孔雀舞』(短編)
 『神々の山嶺』
 夢枕獏と言えば、『餓狼伝』を置いておけないんですけど(あと「キマイラ・吼」シリーズと)、あの辺は完結してないから、どれくらい渋くなりか未知数、ってことで。
 
 あー、それから、橋本治さんの『窯変 源氏物語』も渋いんだと思います(個人的にはイロイロ抵抗感もあるンですけど)。
 
 やっぱり個人的期待ですけど、小野不由美さんとかには、もっと・もっと、渋い小説「も」書いてもらいたいなー、とか思いますです。
 
#偏ってますねー(笑)。
#海外の小説を入れるともっと増えますけど、翻訳の関係とかもあるから、とりあえず置いておきました。
99年12月08日:01時20分41秒
そうとは限りません、と言えるのでは? / 駒形犬二
>いー・あーるさん 12月7日に、「おまじないが〜」なんて弱々しく吠えて いるので、なにを言ってもどうにも格好がつきませんが、い-・あ-るさんの書き込みをよんで、違和感を覚えました。
 人生経験が片寄っていることに気がつきにくい、若い年齢のうちでは、どこか軽々しかったり、説得力に欠ける部分が作品の表に出てきてしまうだろうから「渋い小説」は、「年齢的に書けないのではないか」というのは、わかります。 わかりやすく言えば、小説家の全集を通して読めば、小説家の人生経験が作品に繁栄されていって、いわゆる渋みが増してゆくのがわかるようにですね。
 ですが、インターネット上で小説を発表する年齢の人がすなわち「年齢的に渋い小説というのは書けない」というのは、根拠としては弱い……と。
 単純に、僕の知り合いに70歳でオンライン小説を書いたひとがいます! といった鼻息の荒いような実例ではなく、媒体としてオンラインを選ぶ書き手もいるということです。
 プロになるということは、その難易度ではなく、生活環境や人生プランによって選択しないという人も多いのです。
 また同人誌といった方法では、時間的にも費用的にも、そして住居している場所が地方であるといった理由でもあったりして実行できないというケースは、珍しいことではないのです。
 ですから、オンライン小説では渋い小説は10年ほど待たないと読めない、とインターネット上で探されないのは、あまりももったいないです。
 「お前は見つけたのか」と訪ねられれば、「へっへっ、百に一の割合で楽しめるのが、五百に一の割合で渋いのがありますぜえ」とニヤニヤッとお答えできますけれども、それがお眼鏡にかなうかどうかといった部分もふくめて、違う話になってしまうでしょうね。
 これからの10年で、オンライン特有の文章表現や、構成術といったものの研究や、テーマの多様化といったことがとりざたされると、俺は予想しています。これは大変に興味深いことでしょう。
 ところで、いー・あーるさんは、「渋い小説」になにをおすすめされますか?
 俺は、時代小説の、山本周五郎や藤沢周平の代表作をあげますねえ。
  
99年12月07日:20時34分51秒
Re:インターネットのどこかに渋い小説転がってねえかなあ / いー・あーる
こんにちは、いー・あーると申します。
……文字書きの、まあ端くれでございます。

で。
思わず、品崎さんに、茶々……と申し上げては何ですが(苦笑)

>ところで、最近ドラマチックで人物の感情とか生い立ちとかが丁寧に書きこんである小説にはまっています。
>創作小説を書いているシロートの方の小説で、そういうのないですかねー?

……多分そういう方は、既に文筆で食べているのでは?(笑)

 自分が、今の年齢に達して、初めて言えることなのですが、 正直、インターネットを媒体として小説を発表する(しようとする発想のある) 人達、というのは、まだ年齢的に「渋い小説」というのは書けないのでは ないかな、と。(あくまで一般論ですが)
 どちらかというと、私は、オンライン以前から 書いている面々(悪友に多いんですけどね)の文章に、その手の
「渋い小説書き」を多く見ますから。
あと、十年ほどすると、重厚な文章書きが、インターネット内に育っている 可能性もありますよね、そうすると(笑)

しかし、人物描写ですか…… 自分も、一応文章を書く者の端くれとして、やはり
「読んだ人が惚れ込むようなキャラクターを書きたい」というのはありますね……

……うむ、遠大な夢です(笑)
#って、本当にちゃちゃになってますね、すみません。
99年12月07日:16時09分21秒
書けなくてもどかしい時に / 駒形犬二
アマチュアでも締めきりというものがあって、 それなのに、なにも思い浮かばないときは苦しいですね。 書きたいなと心が動いたアイディアが浮かんでも、自分の理想とする小説とは、はるかに遠いものにしか思えなくて、書けない悪循環。 自縄自縛ぅ。 なにか、おまじないはないかのう。 書けない自分をはげますワードは、ないですかねえ。あると、いいなあ。
99年10月24日:02時23分37秒
はじめまして / 清水三毛
普段はパラフリ掲示板にいます(笑)

>小説って、結局、文体だと僕は思ってます。

はじめまして、青空ひばり様。

うーん、分隊、いや文体は確かに個性の一つですが……、

読者というのはやっぱり、魅力的なキャラ、ハラハラドキドキの物語!

というのが読みたくて、小説を手に取るのではないでしょうか?

そのハラドキ感(笑)が、小説ならではの主砲、いや手法で表現されていれば良いわけで。

で、SFだと、そのハラドキ感に、メカ描写やアイテムの魅力までが包含される、と。

以上のことからすると。
文章は下手でも、面白い小説というのはあると思います。

また、SFだって娯楽で小説である以上、ちゃんとした作家の作品なら、決して文章をソマツにしていないと思います。
如何でしょう。

SFで、かつ小説ならではの特長というと、

見たこともないような壮大な光景の雰囲気や、神秘性を、本人の主観として伝えられるてんですね。
映画やマンガは、客観的な映像になっていますから、後で思い出すときは、自分が異世界に旅行したようには思い出せないでしょう。


> SFは骨組みや舞台の一つです。
そうですよね。SFだからって敬遠される方がいらっしゃいますが、文学的なSFだってたくさんあります。まあ、読みづらいSFがあるのも事実ですが。
あ、ちなみに僕のサイトにあるSF小説は文学的でも何でもないですので(^_^;)

しかし…、創作系みると、ファンタジーが多いですね。もちっとSFサイトが増えてほしいです(笑)
私はSFとか怪獣とかTRPGとか、趣味です。参考までに。 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/8266/


99年09月30日:01時44分40秒
迂闊! / 梅
改行<BR>を入れるの忘れました。
読みづらくてすみません。
99年09月30日:01時41分58秒
すみません。SFで、ファンタジーな奴です・・ / 梅
はじめまして、です。 SF・・未だに後ろ指さされるジャンルで、新宿の紀伊国屋でソノラマ文庫はどこにありますかと訪ねたら、「ああ、マンガですね」と言われる(あの女店員は忘れぬ!) SFは前提条件が必要なジャンルですので、唐突に4G加速などと言ってみても、それがなんなのかSF族でない読者には判りません。 で、うだうだと説明を書く羽目になるのですが、そこで、マンガやアニメを出されちゃうと困ってしまうんです。 皆様ご存じの通り画とは恐ろしいほどの情報量を持ってます。 宇宙船の背景に斜線が太さを変えて活き活きと書かれていれば、それが高速だと一目でわかるのです。(マンガもどんなジャンルでも表現できる媒体です。特にキャラの表情は反則がなく、にこやかに笑っている顔の額に青筋マークを付けるだけで内心穏やかではないと1コマで理解させる威力があります) ましてSF屋がくどくならないよう、しかも迫力ある高速機動する戦闘シーンをダラダラ書いても、マンガのたった1コマに負けることが多い・・。(逆にロジカルなトリックや”現象”と言う名の驚異。なんて言う画にしづらい物や説明をする事により話を進め、盛り上げ、想像力をかき立てる部分はこのジャンル最大の魅力でもあるんですが) どうか、SFを差別しないでください。 SFは骨組みや舞台の一つです。サスペンスもアクションも推理だって愛だって、妖怪もミミズもオケラも何だって盛り込める普通の設定要素にすぎません。 おざなりにするつもりはありませんが、ファンタジーも同様です。どちらも日本ではマンガ化、アニメ化されやすいので軽いと思われてますが、そんなことないんです。 いじめないでください。(念のため言いますがマンガもアニメも軽いとは思ってません)
99年06月08日:20時01分54秒
毎週小説を書く / 青空ひばり
はじめまして、青空ひばりといいます。 メールマガジン「週刊明るい部屋」というのを発行し、そこに小説を載っけてます。 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/4395/ 創作論と書いてあったのですが、あんまり文章論のトピックはないのですねえ。 小説って、結局、文体だと僕は思ってます。
文章の書き方などマニュアルそのままの文章で、キャラに個性を持たせて、精細にアイテムを書き込んで、というのは、僕はどっちかというと、どうでもいいように思っています。SF、あるいはファンタジーを書くには、そうでないと書けないのかもしれませんが、そうした文章というのは、正直退屈です。どうせならマンガでもいいし、アニメでもいい。なぜ小説として表現されるのかの根拠がないからです。小説でなければならない表現というのがあるはずだし、それはやはりスタイルに行き着くと思うのです。
99年05月21日:18時48分43秒
インターネットのどこかに渋い小説転がってねえかなあ。 / 品崎
 品崎です。お久しぶりです。
 あ、なんか久しぶりに見たら書きこみが。今度返事かきます。鍼原さん。

 ところで、最近ドラマチックで人物の感情とか生い立ちとかが丁寧に書きこんである小説にはまっています。
 創作小説を書いているシロートの方の小説で、そういうのないですかねー?
 インターネットのどこかでもしそういう渋めの小説見かけたら教えてください。
 ポイントは「人物描写が丁寧で、リアル」ということです。ジャンルはなんでもよいです。
 ……というか、ですね、インターネットで小説探すと、ファンタジーとかSFとかばっかりひっかかって、もううんざりなのです。
 重厚な純文学でもいいから、渋いシロート小説が読みたーい!
 情報お待ちしております。
99年03月22日:21時05分40秒
キャラクターの個性にかんするノーガキ / 鍼原神無〔はりはら・かんな〕
#どうも、遅Resです
 「個性のあるキャラクター」って定義しがたいと思うんですよね。
 定義って一般化ですけど、個性は個別なものですから、原理的に定義しがたい(笑)。
 
 彬兄さんがゆわれてる、「あ、こいつはどこかで見かけたことがある、あ、こいつは○○な話によく出てくるタイプのやつだ、ってな感じ」が一般的な意味で(つまり日常語でってことですよね)「個性」って言われることもある、ってはアタシも思いますけど。それは類型〔タイプ〕って概念でも言い表すことのできる範疇ですよね。
 個性には「ユニークネス」って別の側面もあると思います。

 えーっと、物語キャラクターの類型性が魅力的ってことはあると思うんですけど。
 例えば、「スケベーで自分の欲望に忠実」って類型性が魅力(?)、ってゆーか、キャラのウリ(苦笑)であったとしても、『うる星やつら』のあたる、と『GS美神』の横島と、『嗚呼華の応援団』の赤道とは、それぞれ「個性」は違いますし。
 「スケベーで自分の欲望に忠実」って類型〔タイプ〕ではあっても、人気のでないキャラクターは人気が出ないし。
 
 類型〔タイプ〕ってのは、「複数のキャラクターに共通し得る側面で特徴的なものを抽出した範疇」って言えると思うんですけど、「抽出された側面と、抽出されなかった側面のコンビネーション」が「固有性、個別性としての個性」を構成するって言えるかと思います。
 
 アタシが思いますに、とりあえず、「類型性は魅力的なキャラクターの十分条件ではない」とは言えるのではないでしょぉか?
#物語の主要人物の場合は、って話かと思いますけど。

@品崎さんWrote
>凝った話をやろうとか、日常に潜む狂いとかを書いていきたいときには、「ふつーの人々」を使うのが一番イイと思うんだけどな。
 
#こんにちは、品崎さん。はじめまして。
#アタシも、「自分が〔小説とか〕書かないから、好き勝手なこと言う」クチ(苦笑)なんですけど。
 えーっと、ある種の物語のキャラには没個性的な人物像のほぉが効果的な場合もあるかと思います。
 ただ、その場合でも、たんに「ふつーの人々」ってのは、ないのではないかとか思うのですが。
 んーっと、例えば、映画の「ガメラ」(平成版)で地下鉄に乗ってた群集がギャオスに喰われるシーンがあるんですけど。
 喰われる場面は直接描かれなくって、床のうえに落ちてるウォークマンがシャコシャコ鳴ってる画面が暗示に使われてるんです。で、あのシーンは別に「ベットリ血のりのついたスポーツ新聞」とかでもよいわけなんですけど。やっぱウォークマンにするか、スポーツ新聞にするかで、どんな受け手(観客)にどんなふぅに訴えかけてくかが変わってきちゃうはずと思います。
 類的個性って言いますか、“いるいるこーゆーヤツ”って感じですね(←これは彬兄さんが言ってられる「よくあるタイプ」ではあると思います)
 そーした存在感とか説得力とかのないキャラ「しか」でてこないフィクションは(コミックとかライトノベルとかでときどき見うけるますけど)やっぱ、ちともの足りない気がします。
 
 で、フィクションの場合、キャラの個性って、アタシ的には「あるキャラクターが受け手(読者とか)の予想を越える言動をみせても、事後的に。『あぁ、あの人物らしぃな』って思わせるだけの説得力のある人物像」のことではないかと思いますです。
#「個性あるキャラクター」は定義しがたいけど、うえのは「(物語に登場する)キャラクターの個性」の定義(笑)。
 もし、この続きをするとしたら、やっぱ、「創作論」の掲示板とかに書いたほーがよいのでしょーね? (アタシは小説書いたりしないんですけどねー:悩)。
99年01月28日:02時55分02秒
一般的に使われている個性とは / 彬兄
 …ありがちでない個性の事では? あ、こいつはどこかで見かけたことがある、あ、こいつは○○な話によく出てくるタイプのやつだ、ってな感じのを個性がないと評されているんだと思います。
 でも、結局のところそういった類型化されたキャラクターこそが魅力的、もしくは魅力的だからこそ類型化されているんでしょう。その辺の分析とかやってみるとおもしろいかもしれませんね。
98年12月19日:23時20分14秒
個性のあるキャラクターって結局なんのことを指すのさ? / 品崎
 どうもです。
 最近、テーブルトークをよくやるせいか、
 よく言われることがあります。
 
 「キャラクターに個性がない」
 
 でもさ、わたしは的には、凝った話をやろうとか、日常に潜む狂いとかを書いていきたいときには、「ふつーの人々」を使うのが一番イイと思うんだけどな。
 
 だいたい個性のあるキャラクターなるものの、定義ってなにさ?
 ちぇっ。
 自分が書かないから、みんなそんな好き勝手なこと言うんだろうな(笑)。
98年12月03日:00時21分08秒
市販されているものに関しては / ヌケサク
市販されているものに関しては書籍雑談所のほうがよいかと。
98年12月02日:23時58分45秒
なんかここの掲示板の趣旨を離れていっているような気がするが…… / 品崎
 ども。
 クロウさんはファンタジーものが好きなのね。
 今日は忙しいので、またネタ振りに来ますが、「隣合わせの灰と青春」は古典なので(新刊? リメイクか?)
 リアルタイムで読みました。中学生だったわたしは必死こいて「ファミコン必勝本」を買いました。
 あれはまじめなファンタジーの入門編としていけますね。迷宮という閉じられた空間での人間ドラマというか、まあ登場人物の中でいろいろあるし。
 個人的にはそのあとにJICCから出たウィザードリィ小説アンソロジーの中にある佐山アキラ氏の「酔いどれの墓標」という話が、なかなかハードボイルドしてて好みなのですが、それはアレです。ここのボードではなく本の話をするところでする話なので、長々とは語りません(笑)。
 最近はメジャーなものでも、和製ファンタジーはオタクチックだしつまらないので、(スレイヤーズも一部終わったらもうダメだし)あまり読まないのです。
 そちらもオススメあったら教えてください。ここの趣旨に合うように小説を書くのに参考になるようなの(笑)。
 
98年12月01日:10時54分14秒
お薦め2 / クロウ
どうも.いつもと変わらないでだしのクロウです.
 今回は,市販されているもののお勧めをします.
 まず.集英社のスーパーファンタジー文庫の今月の新刊,
 小説ウィザードリィ「隣り合わせの灰と青春」です。
 も一つは,今は絶版している
 「小説ウィザードリィ2」風よ龍に届いているか,です.どちらもベニ―松山さんが書いています。
 ウィザードリィとあるように,ゲームの世界の話です.といっても小説として完成されていてすばらしいものです.
 ウィザードリィを知らなくても十分に楽しめるでしょう。知っていればさらに楽しめますが.
 ではこの辺で。
98年11月24日:00時12分11秒
ありがとうございます / 品崎
 どもども。拝見いたしました。オススメ作品。
 ……というか、今読んでいるところなのですが。
 ちょっと途中なので感想は書けないのですが、
 もっともっとオススメを教えてください。
 (クロウさんだけでなくみなさんも)
 他薦がいいな……(笑)。
 わたしとしては、ちょっと最近は
 海外っぽいユーモアファンタジー系(ザンスとかマジカル・ランドっぽいの)
 とかとくに見てみたいですね。
 ではでは。

(sf:エラー分を重複削除しました)


98年11月21日:18時50分39秒
及第点? / クロウ
どうも,クロウです。
 前回お約束のお薦めさくひんです。
 http://member.nifty.ne.jp/~kashi/studio/
 ま,及第点と言って良いんじゃないでしょうか。
 このほかにもお薦めがあったんですが,パソコンが1度クラッシュしてしまったせいで
 お勧めすることができません。
 なんせ偶然に見つけたものばかりなんで。
 では、このへんで。
98年11月19日:19時40分55秒
すいません / クロウ
どうも,クロウです。
 品崎さん、すいません。
 お薦めしときながらアドレスを書いてませんでした。
 日本海溝より深く反省しますので,気を悪くしないでください。
 最果ての地とはリーフと言う会社の作ったゲームの2次系作品の置いてあるホームページです。
 アドレスは
 http://www.geocities.co.jp/Playtown/3114/
 です。
 お詫びと言ってはなんですが,次に書きこむときは私のお薦めのオリジナルの作品をご紹介しますので。
 (実はSFで良いものが合ったのですが,アドレスを忘れてしまったんです。)
 では,レスありがとうございます。
98年11月18日:19時09分14秒
久しぶりのレスありがとうございます。 / 品崎
 れすれすありがとうございます。
 クロウさんの言うとおり、オリジナル小説のリンク集などはもうあてになりませんな。
 テクのある人の小説ってどこに行ったらあるんでしょうね。
 セミプロクラスの人々のページってどなたかご存知ないですか?
 
 ところで、クロウさん。最果ての地って???
98年11月17日:21時00分54秒
難しいですねぇ / クロウ
どうも、はじめまして。
 どんな状況でも不幸を見つけられる(by友人NY)存在ことクロウです。
 えー、品崎さんへお返事させてもらいます。
 自分の趣味をある程度知っている人と手分けする。
 基本的にはこれしかないと思います。
 一応オリジナルの小説のリンク集などを利用する手もありますが、作者の紹介文はあまり当てになりません。
 自分の作品を、ある程度客観視できる人が少ないのが原因ですね。
 ちなみに私の最近のお気に入りは、「最果ての地」にある2次系作品の「痕〜タオの章〜」です。
98年10月25日:02時37分07秒
稚拙な自作小説を書き始めました。 / 肉骨茶(ばくてい)
オムニバス形式で展開して行く、自作小説を書き始めました。

現在第1回目の分岐点を別れたところです。 どうか皆様骨肉茶(ばくてい)のPH クラブ 迄御越し頂けないでしょうか。

現在海外在住で日本人との会話に飢えております。 又、当サイトはパンストフェチでも有る私の趣味のサイト でもあります。

(sf:てきとうに改行入れました)


98年10月15日:01時06分44秒
それがね……。 / 品崎
 わー。
 レスありがとうございます。右京さん。
 
 それがですね、たとえば自分は京極夏彦が好きなのですが、彼の小説が好きだという人の小説を読んでも、趣味が合わなかったりするわけですよ。
 で、この掲示板のお隣の、創作論では、言っては悪いんですが、自分の作風について迷っている人ばかりでちょっと自分と合いそうな人が見つからないのですよね。
 わたしは基本にエンターティメントがあって、それに純文学がのっかっているというか、人間心理に経験的に切りこむような作風で、且つエンターティメント的な“見せる”要素は崩さない……という小説が読みたいのに。
 こういうのってたぶんアマチュアでないと出会えないと思うのです。
 どなたか、ご存知ないですか?
 よかったら教えてください。
98年10月13日:12時28分00秒
品崎様への私なりの回答 / 右京
初めて書き込みをします、右京と申します。 もし、品崎様がHPをお持ちならば、伝言板に書き込んでくれた人のHPを見ていくというのはどうでしょうか。 大体は、同じ趣味の小説に会えると思うのですが。 または、品崎様と同じ作家が好きと公言するHPを覗くのも手だと思います。 私のHPにも拙い小説を載せていますので、お暇な時に覗いてやって下さい。「創作小説関係ページの宣伝」コーナーに先日載せたばかりなもので。
98年10月07日:18時47分57秒
ネットでシュミのあう小説を見つけるには? / 品崎
 突然ですが、
 自作小説っていろいろありますよね?
 いろんなジャンルといろんなシュミがありますから、とにかく検索かけても拉致があかないんですよね。
 たいへん困っています。
 
 みなさんはおそらくアマチュア小説を良く読まれる方々だと思うのですが、どうやって自分と好みの合う方を見つけておられるのでしょうか?
 
 やっぱり、こういった掲示板で「自分は〜〜がスキで、〜〜」がとか書いて趣味のあう方を探すしかないんですかね。
98年08月21日:00時27分34秒
はじめまして&Queston / たつのうた
こちらには初めてお邪魔します、たつのうたと申します。
以後、よろしくお願いいたします。

さてさて、前々から「スチームパンク」の小説を書きたいなと思って、ちょこちょこメモを貯めています。
が、なかなか揃わないのが、資料なのです。「スチームパンク」というジャンル自体、そもそも固まっていませんが。
スチームパンクと呼ばれるもの、および、産業革命期から第一次大戦までの歴史資料で、「これはいいよ〜」というのがあったら、ぜひ教えてくださいませ。

にしても、周囲に聞くと「戦車はOKだけど、飛行機はダメ」ってみんな言うんですよね。
歴史的には、飛行機の方が登場が先なんだけどなー。
97年07月22日:11時22分11秒
いや、是非お願いしますよ。>sfさん / 雄高
もの凄い気になるところで途切れているので>無限都市
97年07月20日:17時32分18秒
無限都市 / sf
 無限都市、続きを書かないと駄目ですねぇ、確かに。一応半分くらいまで書いて放置してあったんですが、いろいろ考え直したので書き直さないとなぁ。(;^^)
 しかし、カウントみる限りではほとんどよまれてないみたいですが、意外と感想来るんだよね、これ。(;^^)
97年07月17日:13時47分03秒
無限都市読みましたよー>sfさん / 雄高
すっげー続きが気になるんですけど(笑) ぜひ書いてほしいなぁ。
97年07月13日:15時40分36秒
特定作品の掲示板 / sf
 要望があれば特定作品に対する掲示板を作成します、と以前から書いてますし、感想の誘導と共に読書会的な掲示板くらい用意するということはやってみますか……。
 なにか感想用掲示板の必要な作品がありましたら、簡易掲示板についてsf@x.age.ne.jpへのメールでご相談くださいませ。
 感想の書き方というか、話の進め方については、もう少し考えるべきなのかな……うまく進めるノウハウってのが私だと良く分かっていないので……。
97年07月13日:08時01分41秒
読書会形式について / 志麻 ケイイチ
sf氏のアイディアはとてもすばらしいと思います。 氏のおっしゃるとおり、リアクションはとても少ないものがあります。 私の参加するオフラインの会は、作品を回覧する形式ですが、そのような同好の士が集まる中にあっても反応の鈍さというのは否めません。 特定作品に絞った感想集中という意見には賛同します。古谷氏のこのHPならば可能な考えではないでしょうか。
97年07月12日:05時40分23秒
宣伝はここではありません / sf
 宣伝用には創作小説関係ページの宣伝という掲示板が用意されています。そちらで宣伝すると、今度創刊される創作系ページの告知サービスにても告知されますから、よりよいと思われます。
 ついでに書きますが、タイトルは内容を表現した適切なものをお願いします。また、どのような内容であるか興味を引くように書かなければ宣伝とはなりませんよね。
97年07月12日:00時55分08秒
 私のhp見てください / 伊藤学
 hpで自作小説を掲載しています。もしよかったら読んでみてください。
 http://www2k.meshnet.or.jp/~sf6329/index.htm
97年07月05日:07時16分12秒
質と量の維持方法 / sf
 やはり感想や批評が帰ってくる環境づくり、が有用だと思います。
 WWWの現状での問題点は対話性の少なさですよね。こうして掲示板なんてのもありますが、これで得られる対話性は、ほんとうのBBSやメーリングリストには及ばないわけです。
 作品発表・感想回収系のメーリングリストも幾つかありますけど、どの程度うまくいっているのやら……。漫然とやっていると、すぐに感想が突かなくなってしまいますからね。あちこちのパソコン通信などに参加してますが、参加者の個人の資質、とくに感想を書くのが好きな人が居るかどうかということだけが問題になってしまう傾向があります。
 ……そうだ。読書会形式で特定の作品に対して論じてみるのもいいかもしれませんね。作品提供にはかなりの気合いが必要でしょうけど。
97年07月05日:06時46分08秒
創作小説のあり方 / 志麻 ケイイチ
HPには締め切りがありません。量と質を維持し続けることはとても難しいことです。 しかし作品を提示する以上、完結させることが最低の責任だと思います。 質を問うのはその次かな? と。 書くこと、読んでもらえること、完結させること。 実はこれが一番大変なんですけどね。
97年01月24日:12時12分58秒
オンライン・シェアワールド / sf
 世界共有が楽なのは確かです。実際、草の根BBSなどを見ているだけでも山ほどあります。WWWはまありまじめにチェックしてませんが……あるはずです。TRPGでオンラインで設定を作るようなのはみんなそうだといえますし。
 いちおう私の知るうちでは東京人工群島が最大かなぁ。わたしの狭間も、資料と文章創作だけで圧縮して2MBくらいはありますから、そこそこだとおもう。語り部関係の世界設定でそれなりの量があるのは、ほとんどオンライン・シェア・ワールドですね。
97年01月24日:11時52分20秒
オンライン小説について / 彬兄
オンラインならシェアワードが簡単に出来ますね。
簡単に人が集まりますからね。
96年10月2日:17時35分8秒
オンラインならではの創作活動 / sf
 小説を書くことは基本的には個人の活動であることも確かですが、オンラインならではの展開を考えてみるのも楽しいのではないでしょうか。
 そういえば、狭間のエピソード作成も、ネットワーク利用の創作活動の一環なんですよねぇ。
96年9月29日:2時24分37秒
創作小説を話そう / sfこと古谷俊一
最近ではあちこちに自作の小説を掲示している人がいますが、そういった創作小説についてはなすための場所です。
連絡先 / 創作小説雑談所 ログ / 創作小説!!