細江です。
304巻後半の『PADを追って』を読んでです。
304巻前半でプロット作成にミスしてストーリーの整合性を欠いてしま
ったマール先生やフォルツ先生の苦労を尻目に、奇病PDAを探るグッキー
やブリーを生き生きと描くダールトン先生の作風が輝いていました。
他のチーム作家がみんな、心身性アブストラクト変形という難しい単語を
使いたがるであろう面子の中で、ホビー病と実に分かりやすいネーミングセ
ンスを働かせる所もさすがダールトン先生です。
主役のローダンは活躍無く、フィジーで現地の恋人と楽しく休暇中。オラ
ーナ・セストレはどこに?
って遥かなギャラックス=ゼロですか。PADのローダン(秘めた願望)
における彼女の位置付けって…
勤務時間後のひとときを楽しむブリー(181ページ)。
例え<マルコ・ポーロ>に同乗していても、国家元帥殿はPADにはなら
なかったのではないのかと。
イホ・トロトも同様で、テラナーと行動を共にしているのは、表向きはテ
ラとハルタ星系との外交の務めかもしれませんが、実際は年中、衝動洗濯を
しているわけですから、最初からPADの様なものです。
ホビー病の原因を探る内に、太陽系艦隊の面々が抱く抑制されたコンプレ
ックスが明らかにされます。その過程で読者は、現代の我々もまたいかに日
常生活のストレスに耐えているかを気付かされます。これはダールトン先生
のヒューマニズム表れの一編なのです。…と解釈するのは、さすがに深読み
でしょうか?
そんな事を思うくらい、前半の『氷惑星の決闘』とは対照的な話でした。
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