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Date: Sun, 23 May 2004 22:34:45 +0900
From: "HOS" <gazelle@capella.freemail.ne.jp>
Subject: [PR-J 01642] MY GENERALIZATION OF THE OLD MUTANT CYCLE
To: <PR-J@cre.ne.jp>
Message-Id: <001e01c440ca$f596f8e0$1dbcd8da@computer>
X-Mail-Count: 01642

 細江です。
 無事に終了をむかえた旧ミュータント・サイクルのマイ総括という
事で、このサイクルで活躍した各キャラについて思う事をいろいろ。

ボウント・テルヘラ元帥。
 大執政官選挙の立候補者。他の候補が脱落し、1対1のローダンの
対立候補となりました。
 極超長々期に渡るローダン政権の疲弊・腐敗化を指摘する、従前の
野党候補者と同様の戦略らしいですが、あまりに現政権が長いため、
テラに新しさをもたらすという公約でさえ既に目新しさが失われてい
る様な気がします。
 当初は、一般市民に痴呆化の影響が残っていたため、政策よりもイ
メージ重視で選挙戦を進めれば、かなり勝機はあるはずでした。しか
し、サイクル後半でテラナーの痴呆後遺症は全く言及されていません。
太陽系への外敵の侵攻により一気に正気づいたと考えられます。
 パラマグの強襲は、選挙参謀の乗る船が落とされた事も含めて、テ
ルヘラ陣営に不利に働く結果となったといえます。その侵攻の原因は
ローダンとその仲間がPEW隕石にちょっかいを出したからなんです
けどね。
 軍事力強化を政策に掲げる元帥は、ローダンの立候補表明による支
持率上昇を懸念し、一発逆転を狙いました。外敵を撃退する勇姿をア
ピールするための出撃です。
 しかし座乗艦がわずか800メートル級で、僚艦はたった50隻と、
貧弱な戦力を露呈(299巻59ページ)。
 元帥よりも階級が低い提督でさえ、ギャラクシス級を旗艦に100
隻を指揮している(カストリ提督、82GSV)ので、かなり見劣り
する戦力と思われます。
 おまけに戦果ゼロ。これじゃあ投票したくても出来ない。
 第2の敵襲をでっち上げるために味方艦を破壊するという殺人行為
で、300巻では天罰が下ると予想したのに、実際は政治生命は断た
れたのみで命は長らえたという結末。予想外でした。
 古くはオーヴァヘッド、下ってカーディフ、ホンドロ、ダブリファ
(毛色は違うけどハイコ・アンラートも付け加えておきましょう)な
どと、ローダンの権力に挑むとみな確実に「死亡フラグ」が立つもの
なのに、テルヘラ元帥はそれを生き延びた稀有な人物となりました。


ルナのネーサン。
 登場シーンは皆無でも、最も高い評価ポイントをゲット。
 すなわち、「8人のミュータントの帰還を論理的に予測した事」!
 物証がなく、予測というより予言に近いんですが、読んでいてとに
かく合点してしまいました。
 レムールの遺跡で8つの肉体を求める強い精神力の存在、というほ
んのわずかな情報だけで導き出した結論に、うなる様にして納得。
 事前に(一冊目の)ハンドブックであらすじを知っていたのに、ネ
ーサンの報告が出るまで、旧ミュータントの仕業だとは全く想像もせ
ずに読み進めていました。
 逆に言えば、先読み情報を持っていたからこそ、ネーサンの強引な
論理にグウの音も出なかったのかも知れません。力わざで推理した感
じですから。


キタイ・イシバシ。
 帰還した旧ミュータントの1人。ヒュプノ。
 忘れてはいけない、リバルド・コレッロの父。
 正気をなくしていたとはいえ、自分の息子を操ってテラ各地に混乱
を巻き起こした張本人。
 感動の親子の対面が一向にないまま、各治療施設やPEW隕石での
冒険(というか逃亡・撤退戦に近い)が収束しないのでヤキモキして
いましたが、299巻275ページでようやくコレッロを息子だと言
及しました。やれやれ良かった。
 ところで彼、第二次遺伝子危機で死亡する前に、ジェヴォレニー・
タツトゥンが妊娠していた事を知っていたんでしたっけ?


アラスカ・シェーデレーア。
 前半はヒュプノ圧力に屈していてばかり、後半は全く出番がなしと、
全然いい所なし。
 カラーイラストも、コレッロを背中に抱えて歩く、クーリー姿が痛々
しかったです(イメージ的に裸足)。
 偽神相手には無敵を誇ったカピンの断片のパワーも、役に立たず。
 大群サイクルではシュミットと並ぶ大活躍だったので、ギャップが
大きかったです(他に活躍がなかったのはサンダーボルト・チームな
ども)。


オラーナ・セストレ。
 2人の関係に進展なし。
 どうやらローダンにとって彼女は、銀河の危機・選挙問題に次ぐせ
いぜい3番目の優先事項の様です。お気の毒。
 アトラン辺りは喫煙の悪習を持っていることにこだわりそう。


アスポルコスの皆さん。
 今サイクル最大の被害者。
 太古、パラマグの巨大隕石落下でカタストロフィがあったでしょう
し、今回はテラナーのせいで技術文明崩壊。
 発明熱に取り付かれて飢餓状態に陥った上に、援助の凝縮口糧は時々
毒入り。
 これからトサカの金属をどうやって確保していくのやら。
 当人たちは何も悪くないのに、本当にお気の毒。


ソン・オークラ。
 帰還した旧ミュータントの1人。周波数透視者。
 暗視という役に立つか分からない能力。アルコン・サイクル以降の
活躍シーンが皆無。軽い歩行障害。それなのに細胞活性装置保持者に
選ばれたという謎。
 将来長くプロット作家を務めるヴルチェク先生でさえ、PEW隕石
内で彼の能力を有効利用する事が出来ませんでした。
 仮の肉体で斜面をうまく走り下っていくシーンだけが印象に残って
います。


細胞活性装置。
 訳で細胞活性化装置となる事しばしば。何とか統一してもらいたい
もの。
 旧ミュータントたちの装置は既に他の者に渡っているので、肉体を
手に入れた後どうなるのかと心配していました。クライトの3巨漢か
ら奪い返してもまだ5個足りない。あとはティーパ婆ぐらい?
 ワリンジャー教授がハイブリッド・ロボットのハイブラクを作ると
いうことで解決。金属ボディなら半不死だから問題なし。


パラマグの皆さん。
 可愛い姿で反物質を利用する危険な敵。
 明らかにメンタリティが違うし、ツォイトにPEW金属があるとま
だ盲信しているし、太陽系の銀河ポジションも知っている。
 ハイブラクなんか作らなくても、こいつら氷漬けにして順番に乗っ
取れば安上がりな上に、後顧の憂いを断つ事が可能。
 今までのテラナーの行動パターンからして、この種族から奪ったデ
ータで近い将来、反物質エネルギーを実用化させるのは間違いないで
す。
 第三勢力以前からのモットー、「お前の物は俺の物」!


アッカローリーの皆さん。
 カピン・サイクルでテラナーと友好関係を結んだ反物質世界の知性
体。今回出番なし。
 友好種族であるはずのテラナーが、<ネオマヴ>と<ピルポ>にイ
ンケロニウムでメッキしたトランスフォーム爆弾を装備させている事
を知ったらどう思うだろう。


ブラックホール。
 有名な天文現象の一つにして、宇宙SFでもかなり魅力的な「舞台
セット」ですが、ようやくローダン・シリーズにも顔を出しました。
ブラックホールの発見ってこの頃でしたっけ?
 今の時代、ブラックホールはもはや使い古されたギミックになって
しまっていますけど、やっぱりブラックホールのない宇宙なんて、タ
バスコのないピザの様なもの。


ノムヒョン大統領。
 大統領は総理大臣と違って国民から直接選ばれているので強い権力
があり、大執政官と似ているなとかねがね思っていました。
 その大統領が弾劾訴追で権限停止されたのが、サイクル後半の丁度
ローダンの権力が危うくなる辺り。
 何かシンクロしているなと思っていたら、300巻でローダンが再
選された時に、韓国の最高裁判所が弾劾を棄却しました。ノムヒョン
大統領もローダンと同時期に政治的危機を脱したのです。
 キムデジュン大統領が退いた時は「300巻までいてくれれば、韓
国と北朝鮮でローダンとローダンIIごっこ(キムとキムII)が出来
たのに」と残念だったのですが、ノムヒョン大統領もなかなかローダ
ン・シリーズを分かってらっしゃる。来年は脳の彷徨をお願いします。

 などとオチをつけて長文終了。

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http://www.age.ne.jp/x/sf/BOOK/PR/ 宇宙英雄ローダン FAQ & ML
http://www.cre.ne.jp/book/PerryRhodan/ML/log/ 自動過去ログ
	http://www.cre.ne.jp/book/PerryRhodan/ML/log/1600/1642.html

    

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