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Date: Sun, 10 Nov 2002 23:04:23 +0900
From: "HOS" <gazelle@capella.freemail.ne.jp>
Subject: [PR-J 01551] DER MANN AUS DEM EIS
To: <PR-J@cre.ne.jp>
Message-Id: <001101c288c2$4c3b8fc0$7dd1d6ca@computer>
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 細江です。
 284巻前半『氷界から来た男』を読んでです。

 ようやく登場、ノストラダムス!
 思えばこのサイクルが始まった時は、彼の予言した恐怖の大王がやっ
てくるぞと騒いでいた時期。
 大群こそ恐怖の大王だったとか、終末予言が外れたから南極の氷山に
逃亡したとか、五島勉はサイノスだったとか、書くべきネタは、ま、い
ろいろあります。
 少なくともローリンとドラン禍の時ぐらい、南極も攻撃対象になった
んだから防衛に協力してくれてもよかったものを。

 パラトロン・バリアから大群船団が撤退したのをみて、ようやく全艦
隊を出撃させるローダン。
 原母との戦い、痴呆化現象を乗り越えてなお、太陽系艦隊が9万隻も
残っているとは、もともとどれだけあったのでしょう。
 本国艦隊だけなのか、他の星系に駐留している分も含むのかもわかり
ません。

 先行した艦隊の旗艦<ホンコン>に座乗する司令官はヤトゥヒン大佐。
1400年前に家名断絶したかと思ってました。
 でも帝国史に残る重要な戦いの前に循環器障害を起こし、職務不能。
 どうやらそういう運命の家系らしいです。
 <ホンコン>の次に大きいのが<クルセイダー>ですが、艦長は大佐
でなく少佐。ひょっとしてこの先行艦隊、ソラー級以下の小型艦だけで
編成されていたのかもしれません。

 撤退を考えるデラゴルデ少佐(69ページ)。ヤトゥヒン大佐は徹底抗
戦を命じたという事は、やはり司令官だけは絶対服従を洗脳されている?
 600隻を失ったから撤退というのですが、もともと4000隻だか
らまだ8割以上残っているでしょうが。と思ったら、次の攻撃ターンで
全滅。
 4回撃ち合っただけで終りとは、撤退を考える割には勇猛な戦いで本
隊到着までの時間を稼いでくれました。
 それで一番の見所になると思った、主力艦隊同士の決戦は75ページ
から83ページまでの行間で終わってしまいました。

 殲滅スーツ。
 デ、デザインが不恰好だ。文中に不恰好だと書かれているくらいに不
恰好だ。日本でアニメ化したら確実にデザイン変更になるくらいに不恰
好だ。
 その殲滅スーツを託されるアラスカ。マスクをつけた男が乗って、機
体を赤く塗ってツノをつければ3倍の速度が出せるとか出せないとか。
服でなくスーツと訳されて、どうしてもアニメ的発想をしてしまいます。

 しかし、本文をよく読むと殲滅スーツをつけている意味が実はあまり
ありません。
 墳墓に侵入したのも9人のイマジナールを葬ったのも、全てパラ次元
キイの機能を使っての事。殲滅スーツの機能はせいぜい衝撃を吸収した
位しか描写されていません。
 その本来の機能?が判明するのは、次サイクル以降の模様です。

 今回の主役は間違いなくイマーゴIとII。
 特にシュミットは実質1人で2つのスタト惑星を次々と渡り、9人の
イマジナールと再会を果たし、カルドゥルスを絶滅させ、100万年越
しの決着をつけた上で、安らかに眠りました。
 準レギュラーの異星知性体の英雄的な死に際を美しく描いたのは、グ
レク1以来ではないでしょうか。

 それに対してアトランは、ノストラダムスへの私怨が120%丸出し
で、サイノスの助言に全て反対し続けます。
 アンドロメダサイクルとは逆に、サイクル終盤で思いっきり株を下げ
てしまいました。

 283巻後半からの2話で、大群の謎を明かし、アラスカ達をローダ
ンに合流させ、偽神たちとの戦いを終結させる。サイクルのクライマッ
クスとして素晴らしい展開でした。フォルツ先生ってやっぱりすごい。

 今週のメールマガジンを読んで。
 日本版で大群とサイノスの使命が判明した時に、何とタイムリーな。

    

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