Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 24 Sep 2002 10:41:13 +0900
From: Hiroto Matsuura <matsu@aeslab.energy.osakafu-u.ac.jp>
Subject: [PR-J 01537] Re: 第280巻
To: PR-J@cre.ne.jp
Message-Id: <10209240141.AA05808@157.16.1.71.aeslab.energy.osakafu-u.ac.jp>
In-Reply-To: <02fc01c26304$de2d6090$0101a8c0@kcat.zaq.ne.jp>
X-Mail-Count: 01537

河内のhiroこと松浦です。


"goyow" <goyow@osaka.email.ne.jp> wrote:
> つまずいたのは30ページの終わりの次の部分です。
>-----ここから-----
>格納庫は無数の投光器に照らされて、まぶしいほどである。整備チームには緊張が
み
>なぎっていた。ハンマーの音、テスト機器の作動音、自動フライス盤が新しいネジ
を
>切りだしていく騒音……
>-----ここまで-----
>
参考のため、原書の該当部分をピックアップしましょう。

Sie gingen langsam zur Polschleuse
der Jet, die silberfarben im licht der
vielen Scheinwerfer und Tiefstrahler
glaentzte. Eine Stimmung konzentrierter
Arbiet, verbunden mit einer gewissen
Nervositaet, breitete sich in dem Raum
aus, der von Geraeuschen aller Art wi-
derhallte. Es wurde gehaemmert und mit
zahlreichen summenden, klickenden
und fauchenden Geraeten geprueft. Au-
tomatische Drehwerkzeuge zogen Mut-
tern an und kontrollierten Schrauben.

# ふう¨をaeだとかでタイプするのがめんどい。

きちんと辞書をひいたわけではありませんが、
訳者の五十嵐さん、かなり意訳した様ですね。


> ローダンの世界というか、宇宙飛行が可能な世界で、格納庫が無数の投光器で照
ら
>されているのに奇異に感じられます。
> 「無数の投光器に照らされて、まぶしいほどである」という表現からは、ギラギ
ラ
>した空間を想像してしまうのですが、35世紀もそうなんでしょうか?
> そこまで照らす必要があるのかな?ということです。
> でも、まあ、よしとしましょう。
>
> 「整備チームには緊張がみなぎっていた」はまあいいでしょう。
> コマンドが生きて帰れるかどうか、整備チームの仕事にもかかっているわけです
。
>緊張するところです。
>
> 「ハンマーの音」、まてよ、蒸気機関車は出発前の点検で動輪をハンマーでたた
い
>て回るという話を聞いたことがあるが、それと同じ事か? そんなはずは ^^;
>
まさにその通りのようですね。直訳だと
「それはハンマーで叩かれ、・・・な装置を用いてpruefen(テスト?)
された。」
ですから。

> 「テスト機器の作動音」これもいいでしょう。
>
> 「自動フライス盤が新しいネジを切りだしていく」ここです。ここが一番ひっか
か
>るところです。
> 「自動フライス盤」というのは知りません。まあ、「ネジを切りだしていく」機
械
>なんでしょう。

機械系の大学や専門学校にはあります。>自動フライス盤
正確な用途は私の専門外ですが(汗)、ねじではなく部品一般の加工に
使う機械だったと思います。「Automatische Drehwerkzeuge」が
原語らしいです。

> しかし、「新しいネジを切りだしていく」というのはどうしても納得できません
。
>飛行の直前に新しいネジを切る必要はあるのでしょうか。スペース・ジェットも既
に
>規格化され、いくら特殊なネジとはいえ規格化されたものを使用しているのではな
い
>でしょうか。
> 今、この場でネジが必要であり、そのネジは規格品の中になく、今ここで切らな
け
>ればならない。
> さらに、そのネジは、今ここで切ることができるネジである。とても不思議な感
じ
>がします。
>

だからねじではなく凹んだジェットのボディなどを交換している
のではないでしょうか?




> また「スペース・ジェットにはネジが使われている」ということにも疑問を感じ
ま
>す。溶接じゃないの?一体成形じゃないの?と。
>
> ここまで考えると、どう考えたらいいのか分からなくなってきます。
>

私達の現実世界の話ですが、真空装置のシール(蓋)などには溶接
ではなく、ガスケットという銅のリングやゴム製のOリングと呼ばれる
ものをねじで挟み込んでいます。

どんなに工作精度が上がっても対抗する面を合わせるとすき間が出来て
とても真空を保てないからです。ましてや溶接でこれを行うのは
非常に困難です。

従って、真空中を航行するジェットにねじが使われていても不思議では
ないと私は思います。


> 早く追いつかなければと思いつつ。
> もしかしたら既に話題になり解決された問題かも知れません。ゴミかも知れない
と
>思いつつも書いてしまいました。すみません。
>
いえいえ、久々に面白い話題でした。

# 誰か上に引用した原書の文章、全訳(直訳)してくれません?(笑)


--
Hiroto Matsuura@Osaka Pref. Univ., Energy System Eng.
松浦寛人@大阪府立大学工学研究科エネルギー機械工学分野
e-mail: matsu@energy.osakafu-u.ac.jp
Tel   : 081-(0)72-254-9226   Fax   : 081-(0)72-259-3340
 
    

Goto (PR-J ML) HTML Log homepage