細江です。
 273巻後半の『テラナーとサイノス』を読んでです。
 ダライモク・ロルヴィクとタッチャー・ア・ハイヌのコンビの再登場で
すが、この2人が出てくる話は、実にストレスがたまります。
 人類の運命はおろか自分自身の生命さえもがかかっている状況でも、感
情的・攻撃的な発言と行動をとり、なおかつストーリーの進行を妨げます。
 例えば223ページあたりで、2人きりでざっくばらんな会話となり、
やっと謎のフロンの正体を検討しあうかと思ったら、無駄な時間つぶしで
何も進展なしとかです。
 今回は全体的に回りくどく、話が進んでいかない印象が大でした。
 腹立たしいのは、タッチャーがポットで頭を殴る事。本当に嫌な上司が
いても、実社会でこんな事ができるはずがないじゃないですか。
 何も抵抗できないで唇を噛んでいた方が、タッチャーに共感できます
(それはそれで読者にはストレスですが)。
 ロルヴィクの方が階級が下だったら、『こち亀』の両さんと部長の関係
みたいで面白かったと思います。
 不可視にしてテレパシーでのみ会話する缶詰、フロン。
 これと会話するタッチャーを周囲の人間は胡散臭そうな目で見て、科学
者でなく心理学者を呼び出そうとします。
 しかし、形のないエネルギー生命体なんぞは、この宇宙には“それ”や
ハルノを筆頭に無数に存在し、テラナーはそういった存在と度々接触して
きました。今や異時間平面生命でさえ、決して珍しくはありません。
 直前に怪しげなプラスティック宇宙船とコンタクトしているのに、未知
の生命という可能性を考慮せずに、精神がおかしくなったと決め込んでし
まいます。
 宇宙には人間の想像以上に純粋エネルギー生命体が多い事を、CYDコ
マンドのメンバーは知るべきです。
 そのためには、エンサイクロペディア・テラニア既刊545冊を読破で
す!
 今週のd-informationを読んで。
 超要塞を量産するとは、超知性体も野暮よのぉ(こういう秘密兵器は1
つしかないからこそ、ありがたみがあるというのに)。
    
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(PR-J ML)
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