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Date: Fri, 22 Dec 2000 22:58:46 +0900
From: t・s <takeco@mb.neweb.ne.jp>
Subject: [bun 00501] ミレニアム版・パブロフの犬
To: <bun@cre.ne.jp>
Message-Id: <000d01c06c1f$8f44a340$1a5fe6d2@computer>
References: <200009140612.PAA19217@e6.mnx.ne.jp>
X-Mail-Count: 00501

*たまには投稿しようかな。バカ話ですみませんが…


「ミレニアム版・パブロフの犬」


 久しぶりに濃厚で充実した土曜の夜を過ごした多田夫婦。
日曜の多田家は、ご機嫌な妻・紀子の「ねえ、朝ご飯何食べたい?」
の一声から始まる。夫・博一はノンビリと新聞を眺めながら答えるのだ。
「そうだなあ。炊きたてご飯と海苔と味噌汁と卵焼きと鰯の丸干しと
納豆と漬物かなあ」
「オッケーーーーィ!」と紀子が笑い、いつになく充実したラインナップの
朝ご飯が始まる。ちなみにこんな豪華な朝ご飯は多田家ではめったにない。

 黙々とご飯を口に運んでいた博一が、箸をふと止め顔を上げた。
「なあ。オマエさあ。僕のこと、餌付けしようとしてない?
 これってなんか【パブロフの犬】みたいじゃないか?」

 紀子は納豆をかき混ぜながら口を尖らせた。
「なに言ってんのオトーサン。糧(かて)というものは労働の後に
 来るもんでしょうが。そんなのアタリマエでしょ?」
 紀子は平静を装い納豆をまぜまぜしていたが、その実軽いショックを
受けてしまった。結婚生活12年、ずっとず〜っとず〜〜っと方針を
変えずに労働(生殖活動)の後に糧(充実した朝ご飯)を提供して
きたのに、博一がそのことに気付いたのが12年後の今日だったとは…。

夫よ、しっかりしてくれ、頼むよ……。
と、紀子は激しく納豆をかき混ぜるのであった。



たけちゃん(↓営業 営業…宣伝 宣伝…)
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