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Date: Mon, 02 Oct 2000 16:32:40 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00483] 週刊おかゆきお  No36
Message-Id: <200010020731.QAA20968@e6.mnx.ne.jp>
X-Mail-Count: 00483

	みなさん、こんにちは。
おかゆきおです。

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カンソありがとう! \( ^_^)/ でーーっす。
 快調、創作、列車進行中、脱線しそう。…で、
 スピード、寄り道、心配です。

 この作品はフィクションです。
 実在の人物・団体などとは一切関係ありません。
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    戦闘天使 19
         おかゆきお



「あなたには富がある。失いたくはないでしょう。あなたは、分別
がある方だと信じているので、アドバイスしますが、相手が何もか
も知っているとは思わないほうがいい。わたしも依頼者を知らない
のかもしれない。そんなわたしに依頼者を聞くことは狐を追い詰め
るようなものです。狩る気がないのなら聞かないでほしい」
 いかにもつくりものの雰囲気が下手な芝居を見ているようだ。そ
れでは、このサーンダと名のった男は依頼者を知らないのか? く
だらない脅して人をいいくるめようとする。シグナトの不快は話し
の終わりを決断させた。

「お話しは、よくわかりました。わたしもよく考える時間がほしい。
今日はなんともご返事申し上げようがありません」
 少し間を置いて今日はおひきとりください。と、いうまえに。
 サーンダが、割り込んでいった。
「ま、まぁ。お待ちください。依頼者は新しい工場を作って、そこ
に研究所も作ろうといっていますぞ」
 いかにもおいしい話しだという狐のような笑い顔だ。シグナトは
あきれてしまって、買えってこの男に対する不快感が消えていくの
を感じた。この男本当に使い走りで、何も知らないのか? と頷き
そうになる。しかし、何を頼まれるにしても、頼んだ相手がいるは
ずである。それはだれか? シグナトはライバルや、商売相手……
を、おもいだした。やはり目の前の客は深いな用心しなければなら
ない人間であった。
「そうですか。それはうれしい条件ですね。しかし、それにしても、
あの工場の子供たちは地元対策なのです。あの子たちをよその土地
に移すことなど考えられません。提案だけとしてもあまりいい方法
ではない。よく考えさせていただきます」
 とシグナトがいうと。
 すさんだ暴力を噴き出すようにサーンダがつぶやいた。
「下手にかぎまわったりしないほうが身の為ですよ。あなたは逃亡
者をかくまっているんだ」
「わかりました。今日はもう遅いおひきとりください。追い出され
たいですか?」
「失礼な奴だ。だが、よく考えたほうがいい」
 そう言い捨てると、サーンダは立ち上がった。
 それをみとどけたうえでシグナトは警備員を呼んだ。
「もう会場は仕舞ってしまった時間だ。お客さまを間違いなく事務
局まで、お見送りしてくれ」
「受け付けはどうしますか?」
「ああ。きみの持ち場はヨウーサンに見張らせておく。カギは外か
らかけて出かけてくれ」
 サーンダは不満そうに去った。
 あそこまで気持を出すと逆に使い走りをまかせたくなる。しかし、
それが悪魔のポーズか……。シグナトはヨウーサンを呼び出しなが
ら考えた。

「あ、ヨウーサンか。しばらく裏口を見張っていてくれ」
「ああ、そうだ。警備員がお客を送って行った」
「……ン。……それだったら、みんなで裏口に行って静かにやれば
いい」
「……ン。そうだ。……そんなに長い時間じゃない。……見てれば
いい。……そうだ。そうだ。……泥棒だったら、顔だけはよく見て
おけよ。……よし。頼んだよ」

 そのまますべてをヨウーサンにまかせて、網のニュース整理にと
りかかった。ニュースは当事者が発信するのだからウソばかりであ
る。しかし、動きがあったことはウソではなくでたらめウソ報道も、
そんなコトをなぜするのか? と推理すれば本当の動きが浮かんで
くる。重要な動きはよき友人には伝えたくなる。それを見落したら
損をする。
 シグナトも助手をもっているが、本当に少し助けてもらうだけで
ある。クローズドの情報には魅力を感じないから、……。
 少しつまらないことを書いたが、ニュース整理は地道な、シグナ
トの日課であった。



「ぼくは裏口に行くよ」
 と、ヨウーサンが行った。
「あたしも!」
 と、双子の声がそろった。
「聞いていただろ、シグナトから直接頼まれたんだ。そんなにたく
さん裏口に集まれないよ」
「あたしいく!」
 双子が同時にいった。
 隣の商人の少女が、すっかり双子のおねぇさんと言う感じで、
「じゃ。それまでいっしょにいてあげる」
 と、いった。
「もうさよならショーのセリフはでき上がったし。……警備員がか
えってきたらわたしも帰るわ……。あんたたちも帰る支度して、で
きたら裏口にいらっしゃい」
 と、いっしょにお別れ劇を演ずる弟とたちに帰り支度をさせ。ち
ょっと戸惑ってるしかめっ面一歩手前のヨウーサンのことは無視し
て、
「すっかり遅くなってしまったわね。熱中するとあっという間ね」
 と、しみじみと言う。
 いわれてみれば、あっという間だった。もう一週間居たいくらい
だ。
 と、ヨウーサンもしんみりした気持になった。




          つづく。







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