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Date: Sat, 9 Sep 2000 11:01:12 +0900
From: T.S <takeco@mb.neweb.ne.jp>
Subject: [bun 00471] 地震
To: <bun@cre.ne.jp>
Message-Id: <005d01c01a04$004531e0$1e08ead2@computer>
X-Mail-Count: 00471

 《動物的勘》を持つ人は、決して少なくないと思う。
そういう私も、実は高校までは地震を直前に察知する事が出来た。
地震それ自体を察知するのではない。どういう事なのか説明しよう。

 一定以上の大きさの地震が来る時、それはおおむね震度2以上なのだが、
身の周りの動物たちが一斉に緊張する。たとえ家の中にいようとも
私にはその緊張した空気が伝わってきていたのだ。自分を取り巻く
空気が急に「ピーーーン」と張り詰める。「ん?」と思って五感を研ぎ澄ませ
身を固くして待っていると、必ず「ぐらぐらっ」と地震が来るのである。
 一番敏感だった時代には、夜熟睡していても地震の前には目がさめた。
動物の緊張と一言ですませてしまっているが、
主にトリと飼い犬・飼い猫の緊張が伝わってきていたように思う。
根拠はまったく無いが、そんな気がしていた。

 察知能力が全く使い物にならなくなったのは、某山の噴火以来だと思う。
このとき周辺地域で群発地震がひんぱんに起きた。
元々地震に対する恐怖心が感覚を一層研ぎ澄ませていたのだ。
それが相次ぐ余震のせいで、地震が怖くなくなってしまった。
気持ちがたるんだとたん、動物たちの緊張状態が
全く伝わらなくなってしまったのだった。

 今ではたとえ地震が来ようともピクリともせずイビキをかいて寝ている。
「えっ?昨日の夜地震があったの?全然知らなかった」
などと言おうものなら家人は嬉しそうに皮肉る。
「ええっ??全然知らないの?図太いねー神経が。身体も太いけど。
人生開き直ってるから地震くらいじゃ動じないんでしょ?」

 返す言葉は今のところない。

S.T


    

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