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Date: Thu, 31 Aug 2000 08:52:45 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00461] 週刊おかゆきお No32
Message-Id: <200008302351.IAA21086@e6.mnx.ne.jp>
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 なんか、少し、人物が動き出しそう。
 みんなかってなことを言うので話がすすまないのか?
 単に作者が伏線のしこみ方を知らない……だけか?



あるいは配信停止も。
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    戦闘天使 14
         おかゆきお


「きみたちは行商人になってぼくの手伝いをするんだ」男はうれし
そうに説明してくれた。聞いている天使たちまで楽しくさせてくれ
る無邪気さがあった。ダルク坊やも目を輝かせて男を見上げていた。
「せっかく自分の道を切り開こうというこれからだ。まあ、楽しみ
はさきに残しておくもんだ。……そうだとすると、もう一度きみた
ちは後ろにはいって隠れていたほうがよさそうだな? つまらない
トラブルは避けておくものだ。さあ、そろそろ出かけようか」

 ――つぎに外から扉が開かれたとき、見えたのは見たことの無い
男の顔だった。
 追いかけるように、運転席を降りた男の声が聞こえてきた。
「お〜い。ヨーサン。荷台にお客さんがいるんだ」そういう声が聞
こえてくるのと、ヨーサンと呼ばれた男の子が目を丸くして天使を
見つめているのがどうじだった。
「ああ。女だね。……お客さんは」
「そうだ。おっかさんみたいな人がいてもいいだろう。ま、天使だ
けどな」
 扉をあけた子供と並んだ男は、明るいところから、笑いかけた。
「さあ、降りた。降りた。紹介しょう。……そうだ。何かべつの名
前をつけたほうがいいな。まだ名前を聞いていなかったけど、……」

「ぼくはいやだ!」
 ダルク坊やがいった。
「ほう。そうか。……で、きみの名前は?」
「ぼくはダルクだ!」
「それでは、こちらの方は?」
「わたしの名ははスリモニカ。…おっしゃる通り、天使です」
「天使だろ? 天使だったら字(あざな)を使うのはよくあることだ
からいいだろう?」
「字はつけられるものです。自分で名乗ることはありません」
「そんなこともないだろう……」
 男は笑った。
「私の名はシグトナ。親がつけてくれた名前ではない。しかし、わ
たしはこの名に誇りを持っている。だから、しばらくの間よい名前
を考えよう」
 そういいながら、シグトナと名乗った男はダルク坊やの前にしゃ
がみ込んで頭をなぜた。
「ぼくは……いやだ」
「そうか」
 シグナトとは少し考え込むようなそぶりを見せて……言った。
「そうか。それだったら、この家の中から出ないでくれ。どこかへ
行きたいときにはそう言ってくれれば、少し離れた町に送り出して
やる。そこからならどこを歩き回ってもわれわれに、迷惑はかから
ない。もちろん。また時間を決めて迎えに行ってやる」
 そう言うとシグナトは立ち上がって、天使のほうを睨んだ。
「いいな」
 そう、念を押されると、天使はうなずいた。
「ダルク坊やもいいな」
 ダルク坊やもうなずいた。
 何かずるいなぁ……と、おもいながら……。



          つづく。




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週刊おかゆきお        月曜発行

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