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Date: Tue, 08 Aug 2000 23:08:39 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00457] 週刊おかゆきお No29
Message-Id: <200008081407.XAA07966@e6.mnx.ne.jp>
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 うーーっ。どんな話になるのか?

 なんか、少し、人物が動き出しそう。
カンソお願い! \( ^_^)/ でーーっす。


あるいは配信停止も。
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    戦闘天使 12
         おかゆきお

 ひまわり学園では生徒でない人はみな先生と呼ばれる。天使も先
生と呼ばれる人たちといっしょに暮らすことになった。
 同様に、ダルク坊やは生徒と呼ばれる子供たちと暮らすことにな
った。
 
 一日が終って消灯時間までの短いひととき、天使はなんとなく廊
下に出て夜空を見あげるようになった。
 しばらくそういう暮らしが夢のようにすぎていった。ある日、廊
下に並んだ洗面台。そのうえにガラス窓、そこに月が光っていた。
 ダルク坊やがおずおずとちかずいた。小さな声で、「先生」とい
った。
「天使はなあに?」と聞き返した。
「ここから逃げよう」と、坊やがいった。
「……。…いいわよ」天使がうなずきながら答えた。「あした。み
んなより早く起きていらっしゃい。大事なモノをだけをキチンと持
ってね……」
 そういいながら天使はしゃがみ込み坊やの髪をなで、ちょっと汚
れているほっぺたをなぜながら、「さあ。きょうは早く寝なさい」
とつぶやいた。
「うん」
 うれしそうに、坊やはうなずいた。

 あくる日の朝。みんなより少し早く天使が起きて廊下に出ると、
時を合わせたようにダルク坊やも出てきた。
 そのまま、おもてへ出るドアの鍵をあけて天使は裏門のほうへ向
かった。やがて始まる一日のために通用門は開けられていて、守衛
は眠むたそうにさいごの勤めを果たしていた。いつものように天使
はにこっと笑って、門を通った。ダルク坊やは天使の足許に身を小
さくして歩いて……うまく門を通ってしまった。

 そのままゆっくりと歩いて、近くの林の中に飛び込んで、天使は
坊やを抱き上げた。二人は抱き合って喜んだ。
「あら、ずいぶん重くなったみたいね」
「え、ほんとう? 少し背は伸びたけどね」
 ダルク坊やは何を持って出きたのだろうか? これからどこへい
こうか?
 天使は昔に戻ったようなダルク坊やのそぶりに、うれしく思いな
がらも、考えがまとまらない。
「ねえ。何を持ってきたの?」
「お金とタオル。隠しておいたんだ」
「あらそう。ママの写真は?」
「おいてきたよ。いつかきっととりに行くよ」
 坊やの言い方はいかにも残念そうだったが、それをとりにかえる
という気力もこもっていて、天使はあらためて坊や顔を見た。


          つづく。





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週刊おかゆきお        月曜発行

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