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Date: Tue, 11 Jul 2000 06:06:50 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00449] 週刊おかゆきお No26
Message-Id: <200007102105.GAA29119@e6.mnx.ne.jp>
X-Mail-Count: 00449

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 うーーっ。どんな話になるのか?

 かんそ、きぼう、オチ先取り、なんでもお願い
おまち ^_^/ でーーっす。

あるいは配信停止も。
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    戦闘天使 9
         おかゆきお

 この世界で生きていくのは大変だ。誰もがあたえらた仕事をきち
んとこなしていている。
 だれもがきちんと仕事をこなしているだけに、ミスが起きるとモ
ンダイがつぎつぎと波及して行く。まるい波紋が広がって行くのだ
が、どこかで限界があってぶつかって変形していく。二つのまるい
波紋が同じように広がるときも、そうで、ひとつの波紋ともうひと
つの波紋とがぶつかり合って重なって、お互いの形をある時はたも
ちながらまたある時はもつれながら広がっていく。
 坊やがこどもらしい潔癖さでこの場所を動くのを拒否した結果、
波紋が広がって、ひとりの公務員に不運な波がぶつかった。
 いやがる子供をムリに引っ張っていっても、うまくいかないとい
う彼の判断は当然で、ダルク坊やがひとつ、波紋を広げても、それ
だけだったらドンドン広がっていってやがて消えてしまう。
 しかし、もう一つの波紋が広がってきて、彼は不運な事故にあう
羽目になった。
 もうひとつの波紋はダルク坊やの行動を注目しているやはり公務
員の思惑から広がってきたのだった。
 それがどういう風に交錯したのかは天使の父である天上の人には
わかっていたが、もちろん天使にはわからない。
 天使はただ戸惑うばかりだった。食べ物を買うお金がない。

「どうした?」
 管理人の横で立ち止まったスリモニカに管理人が聞いた。
「お金がなくなったんです」
 管理人はつまらなそうに横を向いた顔を戻した。
「……………」
 スリモニカは小銭を払わずに通ろうと思ったのだが、外に出ても
当てはなかった。
「どうした?  通っていいぞ」
「……………」
「どうしたらいいでしょうか?」
 天使が聞いた。
「ん? どうする? なんか売るんだな。どうせ、いつまでもいら
れるわけじゃないんだ」
「そうなんでしょうか?」
「ああ、家賃が入ってない。どう言うわけか、しばらく様子を見ろ
というはなしだ。だから、ほってある」
「……………」
「よし。部屋で待ってろだれか探して買い付けに行かせる」
 ダルク坊やたちがいっきに連れ出されてしまえば残された家財は
管理人の自由になったかもしないところだった。
 それでも立ち止まったままの天使をにらみつけると、また、管理
人が言った。
「どうしたんだ!」
「なにか買い物に行きたいのです」
「それで、金がないのか?」
「はい」
 まだわずか残っている。でも、天使はうそをついた。「ごめんな
さい。お父様」思わず天使は目を伏せた。
「……………」
 にやりと唇のはじが引き上がって、管理人は言った。
「一日くらい食わなくたってだいじょうぶだ。そういわれたって坊
主に言い聞かせてやりな」
 はっとした天使はその声に水を彼ら多用に冷静になった。「わた
しはなにを期待してたんだろう?」……しょうがない。

 悄然としてかたを落とした天使は玄関に背を向けた。


          つづく。






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週刊おかゆきお        月曜発行

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