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Date: Tue, 13 Jun 2000 16:03:35 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00445] 週刊おかゆきお No 22
Message-Id: <200006130701.QAA06562@e6.mnx.ne.jp>
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 いったいどんな話になるのか?

 かんそ、きぼう、オチ先取り、なんでもお願い
おまち ^_^/ でーーっす。

あるいは配信停止も。
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    戦闘天使 5
         おかゆきお

 月の終わりにいつもくるはずのミルクマンが今月はまだ現れない。
もうお金がなくなってしまう。
 普通の人は天使がそばにいても気にしないものだが朝早くミルク
を配達してくれるこの男は坊やと話しをするとき天使がそばにいる
ことをいやがる。そんなに悪い人間ではないだろうが天使スリモニ
カは好きになれず、届けてくれるお金にもありがたいと感謝して受
けとるのだが……。
 その人が来てくれないと、……。


 この前の集金日にはいつものように天使を遠ざけると、坊やにお
金を渡しながら、
「いいかい。お金をもらったことなんか忘れるんだよ」
 と、いつものとおりに言い聞かせて。
「坊や。そのお金はどうしたんだね?」
 声色を変えて聞いた。
「これはぼくのおかねだよ」と、坊やがいつものとおりに答えた。
「どうしたんだね。誰からもらったんだい」
 男はやさしく質問する。
「ぼくのうちのパパの引出しからもって来たんだよ」
 それを聞くとミルクマンは満足そうにうなずいて。二つ折りにし
た紙幣を握った坊やの手を軽くたたいた。
「よし。いい子だ。忘れるんじゃないよ」
 去っていった。

 坊やは、それを天使に差し出した。うけっ取った紙幣はいつもよ
り少なかった。
 このまま減って行ったら、坊やはどうなるのだろう。天使も不安
になった。
 でも、配達が来なくなるとは……。

「ねぇ。遊びにいこ。公園」
「あ…。そうね」
 このところ出ていなかった。


「あーッ。にゃんこ」
 いつもは茂みのかげに隠れていてる野良猫が今日はのこのこと出
てきた。呼びかけると同じ数だけにゃあにゃあと答える愛嬌のある
猫で、可愛がってる人が多いぶち猫だ。

 可愛がるのはいいけれど……。天使は坊やのうれしそうな顔を喜
びながらも、なぜたりさすったりと、柔らかい毛並みにあまり触ら
せたくは無かった。
 坊やがちっちやな手を出すと、猫は風にまう枯葉のようにすっと
身を翻した。
 天使の不安も風に吹かれてしまった。
「つかまっちゃいけないんだね」
 坊やはおもいどうりにならないことを悔しがるのではなくて、そ
んなことを言った。
「ここにいなきゃ……。お母さんにあえなくなるものね」


     つづく





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週刊おかゆきお        月曜発行

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おかゆきお    e-mail    jtz4046@e6.mnx.ne.jp
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     Thank You Mr電8



    

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