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Date: Mon, 15 May 2000 15:32:41 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00442] 週刊おかゆきお  No18  新連載
Message-Id: <200005150630.PAA22418@e6.mnx.ne.jp>
X-Mail-Count: 00442

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 次回作品は戦闘天使と名づけました。

 いったいどんな話になるのか?
 スリモニカ ダルク の活躍に期待するしかない。

 かんそ、きぼう、オチ先取り、なんでもお願い
おまち ^_^/ てわーーっす。

あるいは配信停止も。
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    戦闘天使
         おかゆきお

 天使も戦うの? その幼児は、目を丸くして聞いた。

「そうよ。一つでは星。集まると水。ぶつかると燃え上がるのが生
命(いのち)なのよ」
「燃え上がるの?」
「そうね。赤くなって黒くなって、灰になって風に運ばれて、星に
なっちゃうの」
「星になっちゃうの?」

 そうよ。というように、天使はゆっくりとうなずいた。

 大昔。人々は見知らぬ土地を行くとき、安全のために敵の首をラ
ンプのように前に突き出し歩いたのだという。それが首の字であり、
道という字になったのだという。
 襲い、襲われる時代に、首を持って歩けば人々は怖がって安全に
歩けたのだろう。それも、復讐という概念があらわれるまで……。
 人々は悲しみ、復讐する。だから、首を下げて歩くことは見知ら
ぬ土地での危険を作りだし、そういうことをする人はいなくなった。

 かってもまけても大変だ。だが、戦わなかったらここを立ち退か
なければならない。いくてにはきっと闘いが待っている。星になる
か、静かに水となってたまっていられるか。
 先のことはとにかく、いまは闘いのときなのだ。

 天使は長い髪をまとめスカーフのあご紐をきゅっと縛った。
 幼児も、ん、とうなずいた
「あなたは、ここで待っていなさい」
「えーっ?」
「しょうがないでしょ。今日は遠くまで行くんだから」

 正面通路に降りて行くと、管理人が手持ち無沙汰な顔ををしてす
わっていた。
天使スリモニカはかくしから出しておいた30チャットの小銭を握
りなおした。
 無愛想にしたまま差し出された手のひらにこぼすように、小銭を
置いた。管理人はそれをチャラッといわせてもてあそんでさっとし
まった。入り口から一歩下がったところでつまらなそうにしたまま
背の高いいすにお尻を乗せている。
 管理人がなんの反応も返さないのを知っているモニカは、そのま
まおもての様子をうかがいおもいきって外へ出た。

 いつものように外には誰もいなかった。車だけが相当なスピード
で走っている。ここで車が止まることは、夏の終りの日のせみのよ
うに、生きながらアリにたかられ、解体させれてしまう。そのため
車は真剣に突っ走り、軽業のように向き合って、すりちがい、走り
去っていく。
 背後に管理人の視線を感じながら車の切れ目で道路を渡る、車も
何台かまとまって走りたがるので、なんとか人は道路を横断できる。
きょうは少しとおくの食料品店に行ってみるつもりだ。
 天使といえども死ぬような痛みを味わうなんていやだけど、少し
とおくまで行かなければ満足なご馳走の用意が出来ない。
 ダルクは、あんなにちっちゃいのに、約束をたてに誕生日のお祝
いしろというのだ。憎たらしくなる。でも、うれしそうに笑うえく
ぼのかわいさは絶品だ。わたしもたまには贅沢な気分にひたってみ
たい。さあ、きょうは楽しい夕食になるだろう。とおもうとそれだ
けで楽しくなってくる。

 わたしは足早にしかし、にげているとは思われないほどのスピー
ドで歩き。食料品店を目指した。少し前にだれか歩いている人がい
た。よかった。少しずつ近づく。あまり近づいては行けない。チラ
ッと振り返った。わたしがオンナなので少し安心したらしい。
 そのまま歩いてくれるとありがたい。そうすれば後ろに注意を集
められる。でも、安心は出来ない。でも、ひとりよりはいい。まっ
たく、なんでこんな心配しなくちゃならないのだ。
 やっと食料品点が見えて来た。

            つづく





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週刊おかゆきお        月曜発行

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