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Date: Sat, 13 May 2000 06:47:00 +0900
From: "Take-chan" <takeco@mb.neweb.ne.jp>
Subject: [bun 00440] ではではアドバイスに従いまして・・・
To: <bun@cre.ne.jp>
Message-Id: <007201bfbc5b$c95fae40$555fe6d2@computer>
X-Mail-Count: 00440

とある方からアドバイスを戴きました。「この手の作品は一人称で
書く方が良いだろうこと」、「キメは『ククいくつだあ?』で止める方が
いい」という二点に従い、書き直してみました。えっ?いやに素直だって?
オホホホ、いつもこうなんですよ。


 あれは私の娘が小学二年生だった時のこと。さほど昔のことではありません。
娘は食卓にノートを広げ、独りで念仏らしきものを唱えながら、
目を宙に泳がせていました。どうやら掛け算九九の暗算が宿題のようです。
 このくらいの年の子はなぜかみんな食卓で宿題をしたがるのですね。
傍らで夫はテレビ、私はJJというファッション雑誌を見ておりました。
 事件はそんな穏やかな秋の夜長に起こったのです。
娘が突然くるりと振り向いて、私に問い掛けます。
「ママ、掛け算を暗記しないといけないの。だから問題出して?」
 私は手にしている雑誌に目を這わせながら適当に問題を出しはじめました。
「サンゴ」
「う〜〜んと、ジュウゴ」
「ピンポ〜ン!・・・ハチシチ」
「ゴジュウロク」
「ピンポ〜〜ン!…じゃあ、シチシチ」
「シジュウク」
「ブー!!間違いだよ」
「え?…じゃあ、シジュウニ?」
「ブー!!」
 黙ってテレビを見ていた夫が、たまりかねて口を挟みます。
「おい、ママ。間違って憶えるからそんな風にからかうのはやめろよ!!」
「…え?何?」
 私は初めて雑誌から目を上げ、夫を見やります。
『このヒトったら何を文句言ってるのかしら』
「・・・なんのことを言ってるのかわかんないの?お前さ、子供の頃、
七の段をスムーズに憶えらんなかったクチだろ?」
  私はパタリと雑誌を閉じて背筋を伸ばし、ちょっと口を尖らせながら言い返しま
す。
「ええ、そうよ。その通り。だってぇ。掛け算九九って、たっくさん憶えなきゃ
ならないのよ?キュウジュウキュウも憶えていられないって!」
「・・・お前・・・、かけ前九九って、いくつあるか
もう一度言ってみろよ。えっ?ククいくつだぁ?」

オワリ

・・・確かにこの方がすっきりするかも。みなさん、どうですか?
作品に流れが出来たような気がします。
ぐっと上がってすとんと落ちる流れができたような・・・。
するするっとノーストレスで最後のオチまで読めるようになった
気がするのですが・・・。




    

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