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Date: Mon, 24 Apr 2000 23:02:52 +0900
From: "okaukio+mls" <jtz4046@e6.mnx.ne.jp>
Subject: [bun 00434] 週刊おかゆきお No15
Message-Id: <200004241400.XAA14162@e6.mnx.ne.jp>
X-Mail-Count: 00434


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 一挙に終結 。見事着地。 と思ったんだけど、……。

 終わらせるってむずかしいにゃっぁあ。

     ご意見ご希望あったらお願いねねっ^_^ぇねねっね!

 バックナンバーご希望の方はお知らせください。
 あるいは配信停止希望も。
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週刊おかゆきお
                       月曜発行
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        空飛ぶ葉巻      19
                おかゆきお


 はちの巨大な化け物が歩いてきた。
 地域の人なかにはハチの存在に気づいている人もいた。
 しかし、政府がハチと接触していて、連中は森からは出てこない
ので刺激しないように、……。
 見つけたら静かにとうざかる。必ず関係機関に通報してください。
 ……という、ここでも、また、
 回覧版が回り、人々は、ハチの存在を受け入れいてた。


 地域住民からの報告はハチの影響下にある個所から、べつのハチの
影響下にまわされて、
 その先は、下に戻って行く。

 接敵指揮官のシンスーウィーはもうかなりの長命であった。
 当然、一群の補佐役がいる。それらの接敵補佐官とはつながってい
る。お互いに必要と思ったことは、自分と上官の差がなく意識される。

 ダール女王は自問していた。ワレは地上に降りると決意した。そし
て、ワレラに行動させた。しかし、結果はどうであったか。ワレラは
ワレの決意を行動させなかった。ワレラはワレにうそを行動させた。
 うそなどつこうとしてもつけない女王は、ワレラの成人たちの不満
に、驚くだけでなく。感じ入っていた。
 しかし、この不満は放置しては危険である。全員処分……。一緒に
宇宙を渡ってきた成人たちの世代を終りにする。ダール女王としては
それでもいいのだが、すでに接敵している固定期の個体は戦闘中であ
り、はずせない。
 では、……。どうする。不満を押さえるためにも闘い続けるしかな
い。


 しばらく、ハチは前方から車の中の二人を見つめていた。
 そのまま振り返ると、茂みの中に歩き去っていった。


 緑の葉がゆれる。見上げれば木漏れ日だけが踊って、少しまぶしさ
を感じるのがおもしろい。
「サヨリぁサーーん」
 と、ポールアンダースンがいった。
「なあに?」
「わたぁしーー。ばらばらにぃないそぅでェス」
「どうしたの?」
 へたな日本語で、何か言おうとする。取材にきた記者がポールの英
語がへただ。翻訳するのに苦労する。……なんていっていたけど、
……。サヨリちゃんはポールの言葉が好きであった。一言でわからな
ければ聞き返す。そうすればだんだんわかってくる。

「わたしのなあかあにぃ。ぜんぜんべつのわたしぃがぃあぁす。それ

が、ここに来てはっきり……」
「はっきり?
 何かわかったの? ナンのことなのかしら??」


「どこかぁとおおくへ行きませんかぁ?」
「遠くへ?」
 もちろんこのときサヨリチャンの脳裏にはここ、富士山麓の青木ヶ
原よりよっぽど遠い、例えばアメリカとか、ハワイのワイキキビーチ
とか……。が、浮かんでいた。そして、ほんのちょっぴり、この空の
彼方のイメージもあった。しかし、この空を見上げる。そんなイメー
ジであった。
「ポールはアフリカにもインドにも中国にもいったことがあるのよね
えぇ」
「ポールの言う、どこか遠くってどこなんでしょ?」

 くすんだ白っぽいトラのような色のハチがが歩いてきた。まるで、
不恰好な着ぐるみ人形のような姿をしばらく、見ていた。
 そんなことが夢のように感じられた。
 ポールアンダースンが、ドアを開けるような動作をした。サヨリち
ゃんは自分のほうのドアがちゃんとロックされていることを思い出し
て、……でも、安心できない。と思った。
 カメラもビデオなにもない。
 こんなスクープなのに! と思っている。自分を意識していた。
「ね…。かえりましょ」
 と、サヨリちゃんがいった。



「このごろポールが、なんか、元気ないの……」
 と、サヨリちゃんがヒバさんに相談持ちかけたのはそれからしばら
くたってからであった。
 ヘンないきもののことも相談した。
「えーーッ。そんな! もったいない。
 それだよ、それ。スクープ逃しちゃったからだよ!
 それで元気がないんだよ!」
 ヒバさんはおおいに乗り気で、サヨリちゃんと二人で取材に行くこ
とになった。



「あ、そこそこ、えーーと。このヘンだったんだけど……」
 ポールアンダースンと来た時はこの道路の道端には、時空間偽装が
働いていなかった。

「偽装解除」接敵指揮官は二人を防衛範囲に入れる決定をした。

「ナント、ナント! 二人は記録装置を持ってル!」

 次世代の地球生まれの固定期、タムン、コムンなど、五個体が待機
して、いつでも制圧できるよう体制であるが、できれば投入したくな
い。

 固定期のなかで、ヒバさんのそばにいたことのあるのはフットとセ
ットだけである。
 そのセットは片田舎村に残っているポールアンダースンを開放する
ため、活動を控えている。ここにいるヒバさんと接近したことのある
固定期個体はフットだけである。
 
「傍観監視」と、接敵指揮官は腹をくくった。情報は影響範囲から漏
れないと判断したのだ。

 二人の車の周囲がぼやける。霧が晴れるように、いつかのさびれた
駐車場の風景があらわれた。

「あ、ここ、ここ! そこはいって!」
 泡くってヒバさんが急停車するように、駐車場に飛びこんだ。それ
から脇の細道は二人を待つように……。
 二人は自然にその道に入り、行き止まりまで車を進めた。

「しずかね」
「クルマ降りてみるかい?」
「でも、ポールのときも、ドアは開けなかったわ」
「アンちゃんはね、なんか、感じてたんだよ」
「怖い」
「それじゃ、まってみるか?」
「なにを?」
「出てくるのを待つのさ」
 茂みのなかは静かで、薄暗く、二人を待っているようである。
 呼び込まれてしまいそうな不安。
「ねッ、かえりましょ」
 と、サヨリちゃん叫ぶようにいった。



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