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Date: Sun, 19 Dec 1999 01:04:26 +0900
From: きるしぇ <sakura_o@ma3.justnet.ne.jp>
Subject: [bun 00386] Re: ちょっと一言
To: bun@cre.ne.jp
Message-Id: <385BB08A2B2.45E3SAKURA_O@ma3.justnet.ne.jp>
In-Reply-To: <385A88413C.E0D8A-SHIMO@smtp.sol.dti.ne.jp>
References: <006901bf483b$6d80ef60$53a999d2@fmv> <385A88413C.E0D8A-SHIMO@smtp.sol.dti.ne.jp>
X-Mail-Count: 00386

あつしさんこんばんわ


> ここも同様です。
> ぼくはたしかにカッとしやすいタイプなので、
> 「何を、この野郎!」と一瞬思うかもしれませんが、
> 読んでもらって殴るなんて、そんなそんな。。。

実際問題、殴られてもいいと思いますよ。作品のことであるかぎり。
わたしは、批評するときは、そのくらい思っています。
「何をこのヤロウ(わたしはメロウか)、俺の作品のどこがアカン
ねん? どこに目えついとんねん?」って言うのは、アリだと思う
んですよ。
作者は、そのくらい思ってないといけないと思います。
悪く言われたら、「これはこういう意図があったんだ! 分からへ
んのか、このスカタン!」と言ってもいいと思う。

わたしだって、読み飛ばしや、気がつかない視点などありますから、
考え直すこともあるし、やはり「いや、こういう意図ならこう書い
たほうが」と言えたりもする。

でも、Kさんのされていることって、仕返しというか、逆恨みです
よね?
自作について、「こういう意図で書いたんだ」と言ったとしたら、
上のような汚い言葉でも許せるけど、「悪く言われたから、悪く
言い返してやる」という態度ではね。

> そう思われてることは百も承知です。
> ただ、自分の中で、何と言われようと、納得するまではこのパターンで書き
> たい、という欲望があったもので、ワンパターンと自分で認識していながら
> も、書いてしまいました。

それもいいと思いますよ。本当は。でも、周囲としては「それでい
いよ」とは言えないのですよ。やはり、
わたしも、実はワンパターンがあるのですよ。
今回送った三作品のなかでも、ひとつが完全にわたしのパターン。
今、比較的長編で考えている作品が4つあるのですが、3つまで、
第二次大戦物なんです。今書いているのが、1937年のドイツ。
10月末に仕上げてどこぞに出そうと思ったのが、1944年の、
ノルマンディ戦をレジスタンスの視点で書いたもの。もうひとつ
が、比較的短いですが、連合国側の視点。
・・・要するに、第二次大戦中のドイツか、(地理的年代的に)
その近辺ばっかりです。
(『晴れ間・・・』が他の二作に比べて書き慣れているわけです。)

ほっとくと、この時代しか書かないので、心を鬼にして現代日本
とかいろんな舞台を書いています(^^;

やはり、いろんなものが書けるに越したことないですから。
その点、あつしさんには、4作、同じ雰囲気が続いたから、厳しく
言いました。

> 確かにさくらさんの言い方は公共性に反している部分もあると思います。
> 正直いささか攻撃的に過ぎるとも思う。
> 受け取る人によっては悪意とすら感じかねない表現が多々あります。
> 一人のプロ作家の作品を第三者が批評しているわけではないのだから、つま
> り、ここ(ML)はあくまで素人が、しかも顔も合わせたこともないような
> 者同士が、ただ小説を書くのが好きだ(あるいは小説家が夢だ)という者同
> 士が切磋琢磨しようという場なのだから、それは場に見合った批評の仕方が
> あるはずです。
> それができないのなら、単に公共性に欠けているか、もしくは批評能力が欠
> 如しているだけだと思います

それもあるけれど、それでは、「イイ湯加減のぬるま湯」になって
しまうことがある。
こういった批評会でも、「おじょうずですね」に毛が生えた批評し
か得られないことが多い。それでは困ると思うのですが。

悪意とうけとめられかねない表現。
わかりますよ。どこらへんがそうなのか。
人が怒るのは、わざと、おかしな読み方をした場合。

好意的に読めば、分かるんですよ。
たとえば、「こういう設定のボロがあるけど、まあ、分かるしいい
か」と読めば、ほとんどたいていの人の作品が、うまい。
反対に、それを厳しくつつけば、最近のたいていのプロ作家(特に
ライトファンタジー系)の作品も、失格です。

「主人公はこれこれだそうだけど、そうだとしたら、こうなっちゃ
いますよね?」とわざと曲解すると、たいてい怒ります。

読者の好意的な想像力に頼っていることが、最近はプロでも多い。
だから、わたしはあえて、「そういう好意的な想像力で補うことが
なくても納得できる小説世界を構築できるように」ということで、
そういう面を厳しく言っています。

それから、これは個人の好みですが、「行動」や「人との関わり」
が書けている作品は、幼稚であっても欠点があっても、評価して
います。
反対に、文章がうまくても、主人公の「わたしは、こう思ったけれ
ど、でも、こうじゃないかと思い直して、結局どうこうだと考えて」
という、主人公の内面の空模様を写している部分が多すぎる作品は、
あまり評価しない傾向があります。
(わたしが、あつしさんとKさんと、同じ傾向がある、と言ったの
は、この点です。)

三島由紀夫が、『文章読本』の中で、「心理描写の罠」として、
「際限なく他人の顔色を伺うだけの小説になる」と言っていますが、
そういう作品は、だから、あまり評価しないのです。

それから、「顔も会わせたことがない」「素人の集まりだから」と
いうのは、関係ないと思います。
それを言っていたら、「親睦団体」にしかなりませんし。

それから、わたしは、ある程度批評は使い分けているつもりです。
あつしさんは、上手だから、批評が長くなる。
たとえば、書かれていることの意味が分からない作品だと、本当に、
二行か三行程度しか書けない。
うまい人には酷評できるけれど、ヘタな人には酷評さえできない。

わたしは、Kさんに酷評をしたつもりはないんです。
本当に、文章の意味が分からない。まず、誰が何をどうしているの
か、そしてそれがどうつながっていくのかが書けていない。
まずそこから直さないといけないのではないか、と思います。
ちょっと「心理描写っぽい」「小説風」なひねくりかたをせず
素直に分かる文章を書くほうが上達する、と思います。
これは、意地の悪い酷評ではなく、事実です。

はっきり言うと、Kさんの作品には、感想も批評もできなかった。
したいと思わなかった。意味が分からなかったから。
でも、青田さんの作品にしたので、それでKさんのを無視すると、
まずいかなあ、と感じたので、したのです。
(たぶん、青田さんにした批評は、「場に見合った批評」だと思い
ます。そういうのができないわけではないので、あつしさんに一言
言っておきます。)

こういう反応を返されると、「あーおじょーずおじょーず」とだけ
言っていた方が楽だなあ、と思います。

> 手抜きをしたところを見逃さず、すかさずを指摘を入れてきます。

ここが、いちばん難しいと思うんですよ。
「好意的に」解釈すれば、マアマアナアナアでいける。でも、それ
を見逃すとうまくならないのではないか(わたし自身も、他の人も)
と思います。
こういうところを指摘できるのは、同じ「書いているもの同士」の
ほうが良いと思うのです。(素直な印象は、書かない人に見てもら
うほうが良いです。書いている同士だと、おもしろくない話でも、
テクニックとかで感心してしまう場合などありますから。)

> ただ、「個人の人間性を述べるのは、色々誤解を生じかねないから、止めて
> くれ」と言っただけで。

そうですね。それはごめんなさい。

ただ、あまり同系統の作品、しかもあまり感心しないキャラクター
を正当化してるみたいな作品が続くと、そう思えることがあるのも、
ご理解ください。

たとえば、WEB上で、「可愛い女の子の手足を切断して弄んだり、
縛って肛門から串刺しにする」というような小説ばかり出している
人がいます。
知り合いのHPからリンクされているので、一度行ったのですが、
とても気持ち悪くて、二度と読みたくありません。
知り合いが、その人とオフ会で会って、「いやあ、ものすごいさわ
やかな好青年でびっくりした」らしいのですが、やはり、そういう
小説ばかり書いていると、「そういう人?」とか思います。

わたしにしたところで、そうです。
わたしは、第二次大戦中のドイツを書くことが多いし、個人的には
ドイツが大好きです。また、好き嫌いは抜きにして、戦争なんて、
片方が100%正義で片方が100%悪ということはないから、
あの時代のドイツや日本にも少しは言い分があるのですが、それを
書くことで、「ナチズム(ファシズム)を正当化している」と言わ
れる可能性もあるのです。あの時代を書く場合は、常にそれを頭に
入れて書いています。
(だいたい、わたしはここではそれほどではないですが、もはや、
ネット上では「ナチ服を着て生活している」とか言われていますか
らねえ(^^; 着てませんてあんなもの。レプリカでも10万円
越えるんだし徽章類をそろえたら100万円超えるから・・・とか
いうんじゃなくて! 実際着てません。ホント。あんなの着たくな
いです。でも、書く物でそう思われてしまうんですよ。)

というわけで、ここでやめておきます。


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  ∧ ∧  砂倉 櫻
(≡^・^≡)sakura-sakura@sakura.email.ne.jp

「小説ほおむぺえじ さくらさくら」
http://www.asahi-net.or.jp/~ee8s-oomr/index.htm

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