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Date: Thu, 16 Dec 1999 21:53:16 +0900
From: きるしぇ <sakura_o@ma3.justnet.ne.jp>
Subject: [bun 00377] Re: 作品投稿「針金の指輪」
To: bun@cre.ne.jp
Message-Id: <3858E0BC2C6.C7E2SAKURA_O@ma3.justnet.ne.jp>
In-Reply-To: <009301bf3fbe$c16633e0$5b341185@ip.kyusanu.ac.jp>
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X-Mail-Count: 00377

針金の指輪、の感想です。


話のテンポが、早い。早すぎる。
もう少し、「じわっ」とすべきところで、テンポを落としたらどう
でしょう?
書かれていることは、「いいお話」なのに、読み手には、車窓の外
をチャカチャカと流れる風景みたいに感じます。

こういうお話は、「自分のもの」として感じられなければ、
「ああそうですか」で終わると思います。

具体的には、まず、主人公である朱実と、そのとなりでコタツに
入っている千秋がどういう関係なのか、分からない。
最初は、姉妹かと思ったのですが、途中で「千秋の母親」という
言い方があるので、違うな、と。

明砂が、主人公の従姉妹だそうで、自殺した「かれん」とレズビアン
の関係にあった、ということは、分かるのですが、主人公と千秋に
とっては、「それほど親しくない」のだそうです。でも、そんな、
かれんがレズであることを知ってる。(普通、それほど親しくない
同性の友達が同性愛者だったら、避けることが多いだろうし、
それで避けないとしたら本当の親友だろうし。)
よく分からない。
主人公にとってのかれんは、どういう存在だったのか、よく分からない。
上のことから考えると、主人公と千秋も、同性愛者の資質があるし、
おそらく主人公はかれんにかなり惹かれていたのではないか、と
思うのですが、これは推測にすぎません。

たとえば、自殺の直前まで、自分たちと一緒に指輪を作っていたの
なら、そのときのかれんのことを思うと思うのです。
実際、この作品では、かれんがどういう少女だったのか、読者には分から
ない。それが、感動を薄くしてしまっていると思う。
「黄金色の針金の指輪」というものを、小道具に用意しておき
ながら、それを活かしていない。
(たとえばわたしなら、「外国人の血が混じっているかれんの髪が
窓からの日に透けて、彼女が編んでいる黄金色の細い針金の色に
見えた」というような記述を入れたりしますが。)

その他も、もったいないというか、もっと掘り下げたら・・・と
思う記述がたくさんありました。

とりあえず、キャラクターたちの関係を、もう少し掘り下げて書きな
おしてみたら、もっと良くなるかと思います。


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  ∧ ∧  砂倉 櫻
(≡^・^≡)sakura-sakura@sakura.email.ne.jp

「小説ほおむぺえじ さくらさくら」
http://www.asahi-net.or.jp/~ee8s-oomr/index.htm

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