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Date: Tue, 23 Nov 1999 08:17:31 +0900
From: "k" <ui@peach.plala.or.jp>
Subject: [bun 00353] Re: [Novel] 薄光
To: <bun@cre.ne.jp>
Message-Id: <006201bf3547$703784a0$19a999d2@fmv>
References: <38356B2E2F8.6DD4A-SHIMO@smtp.sol.dti.ne.jp> <000001bf3428$39419a00$70eaedd2@fortuner> <3838415F10E.B321A-SHIMO@smtp.sol.dti.ne.jp>
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こんにちは。Kです。
佐原さんとあつしさんのやり取りを呼んで、あともちろん作品も読んで書いてます。
さっそく私の意見ですが、私にも実はこの作品が全体として何がいいたいのかよくわ
からなかったです。
文章の読みやすさとか、かもし出している雰囲気とかはとてもよくて、あきやすい私
も最初から最後まで続けて読めました。
でも読後感としては正直言って「あれ、これで終わっちゃったの?」という感じを否
定できませんでした。
これはもしかしたら『ヒモ』という概念が一般的には理解しにくいものだからなのか
もしれません。なにしろ、あつしさんの説明を読むまでは『ヒモ』という言葉はわた
しの中には浮かびませんでした。
あと、いまいち世界観にリアリティを感じなかった理由としてリエと僕が幸せだった
頃のことが、あまりにも抽象的に書かれすぎているからかなあという気もしました。
人それぞれかもしれませんが私の場合は「どこまで行くの?」「天国さ」とか物語の
中の二人についての描写には何も感じる所がなかったです。むしろこういう表現を使
うのは筆者の書くことからの逃避?とか思ってしまいました。
ですから、「ぼく」が自分を失って苦しんでいる様子はわかっても、リエがいったい
何を苦しんでるの?と思ってしまいました。たぶん二人の古きよき時代がもっとうま
く私の中に伝わっていれば、「ああ、リエもつらいんだな」とか思うことが出来たか
もしれませんが・・・。
なんにしろ、「ぼく」が最後になっても何も変わらずに物語が終わってしまったこと
が残念です。どのような形であれ何かひとつでも結論を出していただければそれはそ
れで話がしまると思うのですが・・・。
いろいろ書きましたが、大前提として「私のほうに読解力が足りないのだ」という可
能性ももちろん否定しません。私個人としては、自分が書きたいものが書けたかどう
かを決めるのは最終的には作者自身だと思いますし。
ですから怒れる部分もあるかもしれませんが、そこはなんとかシンプルに「そういう
読者もいるんだな」と思っていただければ幸いです。


    

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