こんにちは、在原です。
さっそく読ませていただきました。
感想…を。
今回考えてしまったのは、彼女が友人の死について話していたときの、彼の言葉…
「それは分かるけど、どうして君がそんなに興奮する必要があるんだい? 大体もう
10年近く前の話だろう?」
です。
これは、結構厳しいですよね…
それほど仲良くしていなくても、自分の知っている人が死んだと聞かされたり、報道
されていたりというのはショックなもの。
友達の死、それも自殺… 友達だったことで、自分を責めたりしたかもしれない。
彼女が悩んでいたことさえ知らずにいたことや…力になれなかった自分のことを、厭
に思ったかもしれない。
ただ、こういう気持ちは実際に自分がその立場にいないと、わからないものかもしれ
ない。だから、彼がああ言うことは愚かでもなく、普通の反応だと思う。
彼女の過去のことも知らなかったわけだし、きっと彼女自身あまり触れたくない話題
だったのだと思います。
上手く表現できませんが………自分自身と少しだぶらせてしまいました。
それから、料理の描写が少しオーバーなように思いました。「パスタの茹で加減に異
常なまでのこだわり」…なら、自分で調理するのではないでしょうか。
作ってもらうのにそんな態度をするのは、ちょっと信じられない気がします。
>「どこまで行くの?」と彼女が訊ね、「どこまでもさ」とぼくが答えた。
>その時、ぼく達は確実に「物語」の中にいた。
私、この2行は好きです。何処かで聞いたような表現だとは思うのですが、この後の
彼の言葉に上手くつながっていると思います。
逆に、「二人で語り合った幾多の夢は〜」の段落は、なくても良いのではないかと。
彼女の「なくしたもの」の描写や、彼の絵についての語りで充分ではないでしょう
か。
最大の疑問は、この部分です。
金銭的に困るなら、調度品を売り払ったりするものじゃないでしょうか?引越しだっ
てするかもしれないし…
冒頭の父親に泣きついている彼の状況と、自宅の描写がちぐはぐな印象を受けます。
切羽詰っているのではなさそうですね。でも、なら何故親に金をせびっていたので
しょうか?万策尽きてどうしようもなく…ではなさそうですし。
貧乏になれてなくとも、実際にそんな状況になっているならどうにかするしかないで
しょう。節約も努力もせず父ちゃん金貸して…はおかしいような気がします。
冒頭の描写、そして「天国」から、精神的に切羽詰って無理心中か、それともドラッ
グ中毒か? と安易な想像をしつつ読み進めました。
多分、生活は厳しく、精神的に参っている状態の二人だとは思うのですが、どうも緊
迫感というか、信憑性が感じられませんでした。
彼等の生活…全然普通な、余裕ある生活をしているように思えます。
ここの描写は考え直したほうが良いのではないでしょうか…
では、このへんで失礼します。
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差出人:Maya Arihara
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