Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Sat, 3 Jul 1999 20:42:33 +0900
From: "=?ISO-2022-JP?B?GyRCJC0kayQ3JCcbKEIg?=" <sakura_o@ma3.justnet.ne.jp>
Subject: [bun 00329] Re: 書き手も読み手として
To: bun@cre.ne.jp
Message-Id: <377DF7291F4.1DACSAKURA_O@ma3.justnet.ne.jp>
In-Reply-To: <001201beb7a0$46f58b20$690100c3@pcd0070>
References: <001201beb7a0$46f58b20$690100c3@pcd0070>
X-Mail-Count: 00329

砂倉 櫻です
これも古い話題にレスつけたままそのままになっているものを出します。


> 書き手のほうはきっと作中人物の言動や心の動きについて、ある程度の理
> 解があるのだと考えます。ただそれが読み手に伝わるかどうかということ
> は別問題です。

そうですね。確かに。
でも、これって本当に難しい。ある程度文章を書き慣れても難しい
ことがあります。

特に、主人公の心理やそこから出てくる言動はまともでも、主人公
の周囲がおかしい(あるいは逆に主人公がただの傍観者で脇役ばか
り活躍している)小説の多いこと・・・。
特に、「一人称小説しか書けない」と言う人に多いです。
(わたしは、三人称小説しか書けないのですが・・・)

男性の作品を読んでいると、「そんなに都合良く女の子がセックス
してくれるかあっ???」と思うことがある。同様に女性の作品を
読んでいると、「こんなに全部女の気持ちをくんでセックスしてく
れる男がいるかあっ???」とか「(フェミニズム系の話の場合)
こんなに男性ばかり悪者かあっ???」と思うことがある。

ポルノ小説なら、「最初は拒んでいた人妻が、乳房を強くもむと
だんだん感じてきて自分から腰を動かしてきた」でもいいでしょう
し(乳房もむな! 痛いんだ!!)、ハーレクインロマンスなら
「大財閥のハンサムな御曹司とふとしたことで恋に落ち、一流
ホテルのスイートでやさしーくセックスしてくれる」(女の私が
読んでも恥ずかしい。)とかでもいいでしょうが、まともな小説を
目指すならやっぱりまずいと思います。

こういうことは、(セックス面では目立ちますけど)、普通の日常
的な行動の描写でもあります。

なかなか、自分の立場とは異なる立場の人間を理解するのは難しい
ですし、なかには「このような立場の人間がいるということさえ
理解してない」場合すらあるでしょう。
(小説が、ある程度年齢がいかないと書けない、というのはそこら
へんかもしれません。)
梶井基次郎の小説のように、「自分の内面だけ」を描くなら自分
だけでかまわないのですが、普通の小説は、主人公を含め何人か
の人物でできています。その「関わり」が小説のメインなので、
「自分」と「他人」が描き分けられてないと(「自分」に都合良い
だけ、とか「自分」が「他人」の行動にふりまわされているだけ、
というような状態だと)小説として成り立たない、ということにな
ると思います。

「他人のことを考える」というのが、小説を書くときに必要な
資質になってくると思います。


  ∧ ∧  おおもり さくら
(≡^・^≡)sakura_o@ma3.justnet.ne.jp
    

Goto (bun ML) HTML Log homepage